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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第151回

iPhone分解アートと、Appleが目指す未来

2022年01月12日 16時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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始めたきっかけは趣味から

 Joeさんは、このプロジェクトの誕生を「完全にハプニング」だと振り返ります。手元にある機材を分解し、紙に接着剤で固定してみたら、素晴らしいアートになった。

 こうして創業者3人の共通の趣味として作品作りを始めました。彼らはさまざま電子機器の分解を試したそうですが、その中であるメソッドについて着想したそうです。

 「いかにして、コンシューマーテクノロジーの歴史とその進化を讃え、後世に伝えていくか?」

 彼らの作品が印象的なアートに昇華している理由も、ここにあるのかもしれません。すでに多くのテクノロジーファンに楽しまれているアートですが、iPhoneの製造元であるAppleの社員や幹部も、Grid Studioの作品を購入しているそうです。

 特に、iPad担当バイスプレジデントに、オリジナルのiPadの額装製作を求められたエピソードは面白いものでした。

 iPhoneはせいぜい重くても200g台ですが、初代iPadは約650g。これほどの重さのものを接着剤でくっつけるのは非常に難しいですし、そもそもiPadは9.7インチで当時はベゼルも分厚かったため、12インチ近くのものを2枚貼り付け、さらにパーツも巨大なものを並べる、とんでもないサイズになってしまいます。

 実際に彼らは初代iPadのアートを完成させたそうですが、この巨大な作品をいかにして配送するかに頭を悩ませたそうです。

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