刷新された代表作の日本限定!
ブライトリング/クロノマット B01 42
ジャパン エディション ブラック マザー オブ パール
ブライトリングは1884年にスイス・サンティミエで創業した歴史のあるブランドで、創業当初から計測機器メーカーとして活躍。創業者のレオン・ブライトリング自身がもともとパイロット志望だったこともあり、やがて同社は航空用の時計の開発に邁進。1915年にはワンプッシュ式のクロノグラフを開発し、1952年には世界初の航空用回転計算尺を搭載した名作「ナビタイマー」を発表するなど、航空時計ブランドとして頭角を現し、発展を遂げた。
現在のブライトリングはダイバーズやオーセンティックなドレス系のモデルなども充実し、広範なラインアップが魅力だが、中核的な役割を果たすモデルはといえば、やはり航空時計にルーツを持つモデルだろう。前述のナビタイマーと双璧をなす形で人気を誇る「クロノマット」はブライトリングのコンセプトや理念の集大成ともいえる傑作だ。
クロノマットは1983年にイタリア空軍のアクロバット飛行チーム「フレッチェ・トリコローリ」(日本でいうところの空自・ブルーインパルスに相当する存在)のパイロットの意見を取り入れ、公式装備品の共同開発という形でプロトタイプが制作され、翌年、民生用として市販化された。以来、このモデルはブライトリングの看板モデルとして多くの人々に愛され、進化を遂げたが、2020年、実に11年ぶりの全面リニューアルを敢行し生まれかわったのだ。
装いを新たにしたその姿は、往年のブライトリングファンから若い時計ファンまでをたちまちに虜にした。ドラマチックな経緯で誕生した記念すべき初代モデルの特徴だった“ライダータブ”付きの回転ベゼルや、唯一無二のデザインを誇る“ルーローブレスレット”などが現代的な設計と素材で再解釈され、最新スペックとしてフィーチャーされていたのだ。
搭載されるのは、2009年に誕生した自社開発によるクロノグラフ・キャリバーのCal.01。同社が長年かけて培った技術の最高峰ともいえる機構を、クロノマットの“原点”を感じさせるデザインに統合し、最新鋭のオールラウンダーとして結実させた。
今年は、その新生クロノマットに日本限定モデルが登場し話題を集めた。前述の意匠はそのまま、ダイヤルに高級天然素材として知られるブラック・マザー・オブ・パールを用い、クロノマット持ち前の精悍なフォルムに、シックなエレガンスを加味している。真珠の母体となる貝のシェルから作られるマザー・オブ・パールはひとつとして同じ模様がないため、日本限定である以前に、必然的にそのモデルは世界で唯一の存在となる。
前述の通りクロノマットはもともと精鋭航空部隊の装備品として誕生した。機能性をストイックに追求した無骨なまでの機能美に、宝飾的なベクトルを備える高級素材をさりげなくマッチさせる手腕はありきたりの軍用時計ブランドには到底できない芸当だ。
ブランドの実力は、さりげなく、こんなところに現れる。
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