画質設定を下げれば3Dゲームもプレイ可能。2Dゲームは快適にプレイできる
MINISFORUM HX90は小型PCながら強力な内蔵GPUでゲーム用途にも応えられることが謳い文句の1つにもなっている。そのゲーム性能について、ベンチマークやフレームレート計測で実力を測っていくことにしよう。
まずは定番ゲームベンチマークのひとつ「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」でパフォーマンスの計測を行う。画質設定はプリセットから「標準品質(デスクトップPC)」を選択し、解像度は1920×1080ドットと1280×720ドットの2パターン用いてベンチマークを実行した。
解像度1920×1080ドットでは「普通」の評価を得られたが、平均フレームレートは30fps台で少々動きが荒いかなという印象を持つだろう。一方で解像度を1280×720ドットに落とすことで評価は「快適」へ向上した。平均フレームレートも60fpsを超えて滑らかな動きを期待できる。
続いて大人気のバトルロワイアル系TPSゲーム「フォートナイト」でのパフォーマンス計測も行った。解像度は1920×1080ドットとし、グラフィックス設定はDirectX 11 APIとクオリティプリセットの低をベースに3D解像度を100%と描画距離を最高に変更したいわゆる「競技設定」と、「パフォーマンスモード」の3D解像度を100%と描画距離を最高にした設定の2パターンでフレームレート計測を実施した。
計測方法はリプレイ保存した試合を再生して「CapFrameX」でフレームレート計測を行うという手法を用いている。なお、CapFrameXによる計測では最小フレームレートの代わりにデータ全体を100分割して最小値から1%の数値を「min(1%)」として記載している。
負荷の低い競技設定であれば、内蔵GPUでも平均フレームレート66fpsを達成しており、概ねスムーズなゲームプレイが可能だ。パフォーマンスモードにすると平均フレームレートが132fpsへとさらに爆増するが、描画が簡素化されるので好き嫌いが分かれるだろうか。60Hzモニターを使用している場合は競技設定で、144Hz以上のゲーミングディスプレーを使用している場合はパフォーマンスモードで、……という使い分けが良いかもしれない。
もう1本、次は軽めの2D系ゲームでのパフォーマンス計測を行った。人気ローグライクアクションゲーム「HADES」を用い、3840×2160ドット、2560×1440ドット、1920×1080ドットの3パターンのゲームプレイ時フレームレートをCapFrameXで計測した。
さすがに3840×2160ドットではフレームレート的に厳しいところがあるが、2560×1440ドットであればmin(1%)もほぼ60fpsに到達しており、常時60fpsでのプレイが楽しめる。2D系ゲームであれば少し解像度を上げてもスムーズに遊ぶことができそうだ。
省スペースとハイパワーの両立。ノートPCを考えていた人にも
省スペースで場所を取らない小型筐体に8コア/16スレッドのパワーを秘めたMINISFORUM HX90は、最新ゲームのプレイを目的としないのであれば最良の選択肢のひとつに挙げて良いほどバランスに優れていると感じた。特に、PC設置場所をあまりゴチャゴチャさせたくはないけれど、大画面やマルチディスプレーの情報量が欲しいといった場合にミニPCは最適だ。その中でも最上位の性能を持つMINISFORUM HX90は、さまざまな作業をストレス無くこなすことができる。
また、持ち運びを考慮しない常設運用で15インチクラスのスタンダードノートPCの購入を考えている人にもMINISFORUM HX90はオススメだ。たしかにノートPCは究極の省スペースPCになるが、それは標準のディスプレーでずっと利用し続ける場合に限られる。持ち運びを考えないのであれば15インチの画面サイズでは物足りなくなってしまうかもしれない。
ディスプレーを追加するのであれば、それに伴ってキーボードも別途用意する必要があり、こうなると元々のノートPCの筐体が半ば意味のないものになってしまう。そうなるのであれば最初からノートPCと同じくらい省スペースに収まるミニPCを購入した方が理屈に適っているのではないだろうか。
もちろん、ノートPCにはいざという時の可搬性やバッテリー稼働などメリットがある。一方でMINISFORUM HX90にも同性能のノートPCより安価に環境を揃えられる点や、また今回の検証では触れなかったが高負荷時のファン騒音の面でも小径ファンを回すノートPCより有利に感じた。双方にメリットやデメリットがあるが、検討に値する価値が十分あることは間違いないだろう。
(提供:日本AMD)