ロボットにモノを自然に手渡せる感動
もうひとつデモされていたのがマニピュレーターだ。通常のロボットでは力の調整が難しいエクレアやイチゴといったモノも丁寧に取り扱い、保持できるのが特徴だ。手の表面に置いたセンサーで圧力分布、物体の滑り具合などを検出し、特性の情報などを事前にインプットしておかなくても適切な強さで物体を持てる。
また、持っている物体を別の人が支えるとそれを検出して力を弱めることも可能。つまり、スムーズに物体を別の人に手渡すことができる。イチゴを手渡して、また受け取ってみたが、単にモノをやり取りしただけなのに赤ちゃんやペットにものを渡した時のような感動があるのが不思議だ。
マニピュレーターには距離センサーも付いており、つまんだり離したりするだけでなく、物体の位置を認識しモノのある位置に手を動かして物体を持つことができる。
身の回りにあるものを持つというのは人間であれば当たり前のようにこなせるが、その力の加減をロボット自身が調節することは非常に難しいということだ。ロボットは工場で決まった作業をするだけでなく、家庭に入り介護をしたり、さまざまな素材を扱う調理に活用したりと応用例が広がっていく。日常の当たり前を当たり前のように実現できることは非常に重要なことなのだ。