【コースサイドの様子 その1】
エビス南コースに別れを告げるファンの姿が
今回で最後となるエビス南コース。名物の最終コーナーに掲げられた「ありがとう エビス南」と書かれた横断幕には選手たちのメッセージが書かれ、大会終了後、サーキットのオーナーである熊久保さんに手渡されました。
また、別れを惜しむのはファンも一緒。レース後にはコースの路面にチョークで思いをつづる姿を多く見かけました。
このように愛されているサーキットが、どうして閉鎖されてしまうのでしょう? その理由について、普段はエビスサーキットの広報企画課として従事する、D1グランプリドライバーの末永直登選手(Team ORANGE)にお話を伺いました。そこにはD1開始当時とは異なるドリフトに関する様々な現状が見えてきました。
末永選手は「僕が今知っている情報になるのですが」、と前置きをした上で「今、ドリフトの人口が減ってきています。その理由のひとつにクルマがないことが挙げられます。シルビアなどの日本車はどんどん海外に輸出されてしまっていて、日本に中古車が少なくなってしまいました。一方、現行車種はというと、フェアレディZだったり86は自然吸気エンジンなので(ドリフトをするには)パワーがないんです。また、僕個人的にはエビス南コースは超上級コースだと思っています。うちは一般の営業もしていますので、超上級者のためだけのコースを維持するのは難しいのが実情です」と話してくれました。
これはコロナ禍による客足の減少に加え、2月に発生した地震による被災も影響しているのは想像に難くありません。地震の傷跡は今も残っており、クラウドファンディングや復興支援Tシャツなどが販売による寄付もありますが、それでも補いきれるものではありません。ゆえに新しい魅力をもったサーキットが必要なのでしょう。
末永選手の言葉は続きます「誰もが楽しめるコースが必要です。それとYouTubeなどでD1の動画を見た一般のお客様が、真似をして事故をされるのが僕は凄く嫌なんです。ですから、安全でドライバーが走って楽しい、見ているお客さんも楽しい、そんなコースにしたいんです」とのこと。
では、新しい南コースはどのようなコースになるのでしょう? 「パワーがないクルマが多くなっている中でドリフトを楽しむためには、滑る路面のコースにしたらどうだろうという話になりまして。そこで今の時点で計画しているのは、工事現場の路面は線が入っているではないですか。あれは切削といって、うちでも舗装をする前にやっているんですけれど、その状態で走ってみたらどうなるんだろう? という話になり、この冬、その工事をする予定です。ですから滑るかもしれないし、滑らないかもしれない。だからやってみることにしたんです」。
一部ではダートコースになるという話も耳にしますが、末永選手の言葉をかみ砕くと、ダートトライアルのマシンも走れる低ミュー路の路面にすると解釈できそうです。
次にファンが気になるのは、ジャンプドリフトのある最終コーナーが残るのかどうか、という点。「コースレイアウトも、現時点ではわからないですが、安全の面で変わるかもしれません」とのこと。少なくともピットのコンクリートウォールはなくなってしまうのでしょう。そして末永選手は言葉を続けます。
「いつになるかわかりませんが、新南コースでD1グランプリをやりたいな、と思っています。それと同時に、西コースも震災で崩れてしまったんですけれど、その復旧とともにバンクを作る工事をしています。それができると日本でもバンクドリフトができるようになります。そっちはほぼほぼ決定しているので、ご期待ください」。
バンクドリフトというと、古くからのD1ファンはアメリカのアーヴィンデールを思い出すのでは? バンクを高速で駆け抜けるドリフトを今から楽しみに待ちましょう!
【コースサイドの様子 その2】
TOYO TIRESブースにドリフトバスターズが登場?
前回大会では新作グッズがなかったTOYO TIRESブース。単走と追走の間の短い時間には、安西茉莉さん(@anzaimari)と山本もえぎさん(@moegi_0218)がブースに駆け付けて場を盛り上げていました。
いつもはTOYO TIRESのカラーリングが施されたハイラックスが展示されているのですが、なんとゴーストバスターズ仕様にチェンジ。話によると、いつもTOYO TIRESの車両をカラーリングをされている方にハイラックスを譲ったそうで、その方が頑張って描いたのだとか。そこでプロトン・ガンを担いで二人はポーズ。
そんなTOYO TIRESのブースの新作はブラックTシャツ。タイヤパターンなどを模したグラフティーな1枚で、もともとホワイト生地のものは販売されていたのですが、新たにブラックが追加になりました。
こうして終わったD1グランプリ2021年シーズン。今年は残念な結果になりましたが、来シーズンはタイヤのレギュレーションが変わりますので、勢力図が大きく変わるハズ!
そして2022年シーズンには、久々となる女性ドライバーとして、下田紗弥加さんが参戦する予定。下田さんはプロドライバーとしての活動はもちろんのこと、自動車媒体の出演やコミック「頭文字D」の舞台のひとつである群馬・安中市の観光大使に就任するなど、年々活動の幅を広げている人気者。今シーズン以上にD1が注目され、そして華やかになることは間違いナシ!
D1グランプリ2022年シーズンの開催日程は(例年通りなら)オートサロン2022の前後で発表され、公式ホームページに掲載されることでしょう。来シーズンも目が離せないD1グランプリ、ASCII.jpも来年もTeam TOYO TIRES Driftを応援する予定です。

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