このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第322回
山根博士のグロスマレビュー
2021年最強カメラスマホ「HUAWEI P50 Pro」を3ヵ月使ってわかったカメラへの考え方
2021年11月27日 12時00分更新
2021年も数多くのスマートフォンが発売されたが、その中でもカメラ性能に優れた製品がファーウェイの「HUAWEI P50 Pro」だ。カメラ性能の指標の1つであるDXOMARKではHUAWEI P50 Proが発売された2021年8月以降、1位のスコア「144」を死守している。ファーウェイのスマートフォンは市場での存在感を落としつつあるが、ライカとコラボしたカメラフォン「HUAWEI Pシリーズ」の最新モデルのカメラ性能は今でも衰えていない。筆者も2021年8月にHUAWEI P50 Proが発売された直後に購入し、主にカメラとして使ってきた。
カメラをふたつにわけたデザインが特徴
背面を見るとカメラを2つに分けたデザインが目に入る。その横には「Leica」のロゴも入り、HUAWEI P50 Proのカメラ性能の高さをアピールしている。本体カラーはBlack、Gold、White、Pink、Blueの5色。筆者はゴールドを購入したが、シャンペンゴールドに近い薄めの金色で派手さはない。なお光沢仕上げのため、指先で触れると指紋の跡はやや目立つ。
HUAWEI P50 Proの本体サイズは約72.8×158.8×8.5mm、重さは195g。200gを切っており、持ってみるとやや軽いと感じられる。ディスプレーは左右を丸めたエッジ形状だが、そのカーブはそれほどきつくなく持ちやすい。本体右側面に電源ボタンとボリュームボタン、下部にはSIMスロットとUSB Type-C端子を配置するオーソドックスなデザインだ。
スペックは文句ナシのハイエンドクラス
スペックはチップセットがHiSiliconの「HUAWEI Kirin 9000」またはクアルコムの「Snapdragon 888」。アメリカ商務省の制裁により、Kirinの製造が困難なこともあってかクアルコムからも供給を受けている。どちらのチップセットも5Gモデムに対応するが、これも制裁の関係によりHUAWEI P50 Proは4G止まりとなる。メモリーは8GBまたは12GB、ストレージは128GB、256GB、512GBのバリエーションがある。購入したモデルはKirin 9000、8GB+512GBだ。
ディスプレーは6.6型(2700×1228ドット)、バッテリーは4360mAhで66wの高速充電に対応。フロントカメラは1300万画素で4K録画にも対応。指紋認証センサーはディスプレー内に埋め込み型だ。なお、昨年秋に発売された「HUAWEI Mate 40 Pro」は専用スタイラス「M-Pen 2」に対応したが、HUAWEI P50 Proのディスプレーは指先タッチのみに対応し、ペンは使えない。
iOSとAndroidいいとこ取りの独自OS
さて、ファーウェイのスマートフォンと言えばグーグルサービス(GMS)を搭載しなくなってから久しいが、HUAWEI P50 ProもGSM非対応であり、ファーウェイモバイルサービス(HMS)を搭載。そしてOSはAndroidではなく独自開発したHarmonyOS 2を標準搭載している。HarmonyOS 2はiOSとAndroidのいいとこ取りをしたような使いやすさを目指したOSと言えるかもしれない。
たとえばアプリをフォルダにまとめると、標準で4x4のアイコンサイズのフォルダ内に、3x3のアイコンを配置する大型表示もできる。アイコンサイズが大きいため、フォルダ内にどのアプリが入っているか見やすいし、それぞれのアプリを直接タップして起動もできる。さらにインストールアプリが増えてきたときに、関連するアプリを自動でフォルダ化する機能もある。アプリはHMSのAppGalleryからダウンロードするが、LINEがこの夏から非対応になるなどメジャーアプリの対応は進んでいない。とはいえマイクロソフトのオフィスなどは利用可能で、マイクロソフトとの関係は良好のようだ。
またアプリアイコンを長押しするとサブメニューが現れ、「スニペット」を選ぶとアプリから直接ウィジェットを選択できる。Androidのホーム画面にあるウィジェットの配置・カスタマイズという概念ではなく、アプリから直接ウィジェットを表示できるのだ。現時点ではまだタイプアプリは少ないが、いずれHarmonyOS 2対応アプリはウィジェットへの対応が標準になると思われる。
ベンチマークはAnTuTu(v9)で測定、726545と1年前のチップセットだが高いスコアを記録した。実際に全体的な操作でストレスを感じることはなく、唯一の欠点は5Gに非対応なことくらいだろうか。
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