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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第329回

1型センサーの恩恵はどれほどあるのか? Xperia PRO-Iのカメラ性能を検証

2021年12月14日 10時00分更新

文● 中山 智 編集●ASCII

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新動画撮影モード「Videography Pro」は
Vlogカメラの代わりになるのか?

 Xperia PRO-Iでは動画撮影にも力をいれている。これまでXperiaシリーズのハイエンドモデルには「Cinematography Pro(以下Cinema Pro)」という、動画撮影アプリが搭載されていた。Xperia PRO-Iにも搭載されているが、映画のような映像が撮影できるというのがウリのため、映像撮影を学んでいるユーザー以外には、本格的過ぎてわかりにくいという声も多かった。

 そこでXperia PRO-Iでは新たに動画撮影用アプリとして、「Videography Pro(以下Video Pro)」を搭載。Photo ProのBASICモードでも動画は撮影できるが、Video Proでは、オーカスをオート(AF)かマニュアル(MF)に切り替えられたり、シャッタースピードやホワイトバランスの調整もしやすいUIを採用している。

Photo Pro、Cinema Proに加えてVideo Proも登場

Video Proのインターフェース

 さらにXperia PRO-Iでは、1型センサーカメラでも自撮り撮影ができるよう、周辺機器として「Vlog Monitor」を発売(直販価格:2万4200円)。Vlog Monitorは3.5型の液晶ディスプレーと、Xperia PRO-Iと接続するための両端L字型Type-CケーブルとXperia PRO-Iに装着するためのホルダーがセットとなっている

「Vlog Monitor」のセットと、シューティンググリップ三脚「GP-VPT2BT」

 それに加えて、ソニーのデジカメ周辺機器として発売中のシューティンググリップ三脚「GP-VPT2BT」(1万2901円)も利用可能。1型センサーで撮影中の画面をVlog Monitorでチェックしながら撮影できるので便利だ。

Vlog Monitorを接続して、対応アプリを起動させると、Vlog Monitorを使用するかどうか確認が表示される

使用OKにすると、Xperia PRO-I側には映像のモニター表示は消える

背面にセットしたVlog Monitorで、撮影状況をチェックできる

Xperia PRO-Iとは付属のType-Cケーブルで接続。試しにXperia 1 IIに接続してみたが使用できなかった

Vlog Monitorの右側面には、電源や明るさ調整用のボタンがある

ホルダーへの装着はマグネット式

ホルダーの上部にはアクセサリーシューがある

アクセサリーシューにはマイクやライトなどが付けられる。マイク端子がVlog MonitorにありそのままXperia PRO-Iでの録音も可能

「GP-VPT2BT」を使えば、手元で録画スタートやズームの調整ができるようになる

 ちなみに4K動画撮影時の発熱をチェックしたところ、10分ほどの撮影で約47度。iPhone 13 Proでも50度近くまで上昇するので、発熱自体はほかのメーカーと同じ感じ。Xperiaシリーズは本体保護や低温やけどを防ぐため、早めの熱制御で動画撮影などの機能制限がかかるケースが多かったが、ソニーの担当者によると、今回は手持ちではなくシューティンググリップなどを使って撮影することを想定し、発熱による制御は従来よりもやや高めに設定しているとのこと。

4K動画を10分ほど撮影したときの発熱状況

シャッター音をオフにする設定はあった

基本スペックはXperia 1 IIIと同等

 カメラ以外のスペックに関しては、同じくソニーから発売されているXperia 1 IIIに近い。プロセッサーはSnapdragon 888で、メモリーは12GB、ストレージは512GBとSIMフリー版のXperia 1 IIIと同等。残念ながらテスト機のため、ベンチマークアプリがインストールできず、数値での確認はできないが、Xperia 1 IIIレベルの処理能力は期待できる。

 またディスプレーも約6.5型(3840×1644ドット)の有機ELパネルで、21:9のアスペクト比やHDR、120Hzのリフレッシュレートに対応でXperia 1 IIIと同等だ。

 ネットワークに関しては、5Gでのモバイル通信に対応しているがSub6のみ(対応バンド:n3/n28/n77/n78/n79)で、ミリ波には非対応。デュアルSIM仕様だがeSIMには非対応。また、おサイフケータイに対応している。

 残念ながらテスト機のためSIMを装着しての通信テストができず、5G通信は行なえなかったが、ドコモのみが使用する「n79」のバンドに対応しているSIMフリーモデルは現状では少ないため、ドコモ回線ユーザーにはうれしいポイントだ。

SIMトレーは両面にセットするタイプで、片方はmicroSDとの排他使用

 本体サイズは約72×166×8.9mmで重量は約211g。200gオーバーのため手に持ってみるとズシリと重さを感じるが、大型のセンサーやレンズ、4500mAhの大型バッテリーなど搭載ということもあり、いたしかたのないところだ。ただし横幅は抑えられているので、グリップはしやすい。

やや重めだが、グリップはしやすい

21:9のアスペクト比を使った画面分割機能も引き続き採用

サイドセンスでの操作も可能

バッテリー残量40%台での充電状況

 カメラのスペックは現状文句なしのトップクラス。さらにスマートフォンとしての完成度で評価の高いXperia 1 IIIの機能や性能を引き継いで開発されているため、Xperia PRO-Iも、普段使いのスマホとして十分活用できるはずだ。

■関連サイト

  Xperia PRO-Iの主なスペック
メーカー ソニー
ディスプレー 6.5型有機EL(21:9)
画面解像度 1644×3840ドット
サイズ 約72×166×8.9mm
重量 約211g
CPU Snapdragon 888
メモリー 12GB
ストレージ 512GB
OS Android 11
5G対応周波数 Sub 6
カメラ アウト:約1220万画素
(24mm/F2.0、F4.0可変)
+約1220万画素(16mm/F2.2)
+約1220万画素(50mm/F2.4)
+3D iToFセンサー
/イン:約800万画素
バッテリー容量 4500mAh
防水/防塵 ○/○(IPX5,8/IP6X)
生体認証 ○(指紋)
USB端子 Type-C
イヤホンジャック
Qi
カラバリ フロストブラック
発売時期/価格 12月15日/19万8000円

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