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デジタルコミュニケーション推進で「行政の仕事、組織のあり方が変わるきっかけに」と河村市長

「市民1万人のまちづくり参加」目指す三鷹市が、Zoom、Slackと協定締結

2021年11月15日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 東京都三鷹市、Zoom、Slackの三者は2021年11月11日、「デジタルコミュニケーション推進に関する協定」を締結したことを発表した。三鷹市によるZoomやSlackのデジタルソリューション活用を通じて、防災/子育て/福祉/教育/観光などにかかる行政課題の解決、新たな行政サービス提供による持続可能な自治体経営への寄与を目的としている。

 同日行われた協定締結式には、三鷹市長の河村 孝氏、ZVC JAPAN(Zoom)社長の佐賀文宣氏、Slack カントリーマネージャーの佐々木聖治氏がオンライン出席し、三鷹市における「市民参加の街づくり」などの取り組みにZoom、Slackを活用していく方針が説明された。なお自治体とZoom、Slackの三者による連携協定は、全国初の取り組み。

(左上より)協定締結式に出席したZVC JAPAN(Zoom)社長の佐賀文宣氏、セールスフォース・ドットコム Slack 日本韓国リージョン事業統括 常務執行役員 カントリーマネージャーの佐々木聖治氏、三鷹市長の河村 孝氏

 今回の三者協定では、「市民参加と協働のまちづくり推進」「地域コミュニティ創成」「職員の『働き方改革』」「オンラインを活用した市民相談」の4点を連携協力事項としている。

 人口約19万人の三鷹市では、2020年より「みらいを創る三鷹デジタル社会ビジョン」を掲げてデジタル技術活用を推進している。また「三鷹市 市民参加でまちづくり協議会(愛称:Machikoe[マチコエ])」の設立準備を進めており、そのコミュニケーションプラットフォームとして、すでにZoomやSlackが採用されている。

 三鷹市長の河村氏は、新型コロナ第5波のさなかにもかかわらず同協議会の設立準備会には市民およそ400人から応募があったことに触れ、「これからの行政は日々、市民参加のある組織形態になっていく」という考えを示した。

 「(まちづくり協議会では)1万人の市民参加を目指している」「これから5年、10年先を考えると、おそらく(地域行政のあり方は)劇的に変化していくことになる。Slack、Zoomの協力も得ながら、市民参加を通してその先の未来を一緒に見ることができたら。市民による社会改革でも、大きな意味を持つものと考えている」(河村氏)

 さらに河村氏は、街づくりへの大規模な市民参加が日常的に行われることで、行政の側でも仕事のしかたが大きく変わっていく、組織のあり方も「もっとフラットなものになっていく」きっかけになるという見方を語った。

 Zoomの佐賀氏は「三鷹市のように市民との対話を重視する自治体でZoomを活用いただくことで、市民の声に寄り添った行政サービスが展開されていくものと信じている」と期待を語る。同社ではすでに複数の自治体と連携協定を締結しており、そうした知見も生かしながら三鷹市との取り組みを進めたいと述べた。

 また、Slackの佐々木氏は「市民ボランティアの皆さんが、多様な市民の思いやアイデアを集めて部会ごとに未来のまちづくりをしていく。そこにSlackの本質的なところを活用いただき、またお手伝いできるのではないかと考えている。街の声をしっかりと傾聴していく、そして対話をしていく、その中からまちづくりへの『共感』を生み出す――。そんなコミュニティ形成を実現する基盤の一部にSlackを採用いただいたことに感謝したい」とコメントした。

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