ファッションモデルでもあり、レースクイーンでもある新 唯(あらた・ゆい)さんのバイク免許取得への道も、いよいよ大詰め。ここまで一つもハンコを落とさずに教習を進めている唯さんは、はたして一発で卒業検定クリアできるでしょうか。
さらに難易度の高くなったシミュレーター
より一般道に近い設定に
2段階の後半といえる6時限目は学科教習とセットのシミュレーター教習でした。シミュレーターは過去2回実施していますが、今回は「危険予測」。さらに実践的な内容になります。クルマやバイクを運転した事がある人なら、トラックの陰から子供が飛び出してくるなど、ヒヤッとした経験があるのでは? そんな「ありがちな事故」を実際に体験するというものです。
「何が出てくるかわからないですね」とドキドキしながらスタートする唯さん。交差点でボールが飛んできたり、子供が飛び出してくるは言うに及ばず、片側1車線道路にも関わらず強引に追い抜きをかけるクルマ、右折中にも関わらず加速しながら交差点に進入するクルマなど、はたから見て「ここまでやるか?」「こんなことあるのか?」と思える内容に唯さんはタジタジ。そして実際に事故が起きてから「事故をしないようにするには、どうすればよかったでしょう」と指導員とディスカッションしながら、免許取得後の路上走行に活かします。「ここまでやるか?」という内容なのですが、これらは実際にあった事故例なのだそう。極端でも何でもないのです。
そのまま学科教習も実施。交通法規や写真のように交差点での振る舞いについて、おさらいをします。普通自動車免許を取得している人が普通二輪免許の教習を受ける際、学科は免除されるのですが、この1時限だけは必要となります。なお、普通二輪免許を取得されている場合、この学科も免除されます。
思わぬ苦戦があったものの
無事にみきわめクリア!
2段階7時限目は、次の時間に行なわれる2段階みきわめに向けた最後のまとめ。練習の時間になります。唯さんの表情も真剣そのもの。スラローム、一本橋といった課題を確かめるように、そして細かな指導を受けながら何度も確認していきます。ですが、スラロームでまさかの転倒。その後も一本橋で足がついてしまうなど、これまでできていたのに……。
その後、何度かやって成功するようになったものの、なかなか指導員からお褒めの言葉は出てこず。その後、AコースとBコースを走行して教習終了。「私、ダメだ……絶対にダメだ……」と激しく落ち込む唯さん。あまりのションボリぶりな姿を見て励ます同行スタッフ。
ですが、無常にも唯さんの予感は当たり、初めてハンコが貰えずという展開となってしまったのです。こうして再度7限目を受けた唯さん、今度はハンコを貰えて一安心です。
急きょ予約を取り直して2段階のみきわめに挑戦。みきわめは、卒業検定に進めるレベルに到達しているのか、というものです。ですから今まで以上に厳しい目でチェックされます。緊張気味の唯さんですが、きちんと課題をこなして、しっかり2段階みきわめをクリア。晴れて卒業検定に進むことができました。本人は「自信はあまりなかったです。できているうちに、卒業検定を受けたい」とのこと。
いよいよ卒業検定へ!
卒業検定はみきわめ終了が当日午前中なら翌日の申し込みができます。ですが唯さんは午後に終了したので、翌々日からの申し込みに。ですがスケジュールが全く合わず。不安を覚えた唯さんは、検定を受ける前に1回自主練習をして臨むことにしました。ちなみに自主練習といっても、内容はみきわめ前の教習に似た内容です。こうして検定を迎えることになりました。
長かったバイク教習もいよいよラストへ!
検定の日は朝が早く、なんと8時30分集合。朝が弱い唯さんは、眠そうな顔で登校されました。入口で検定の看板を見て大まかな内容を確認。そしてボードに張り出された自身の名前と割り当てられたゼッケン、そして「本日は2コースです」という内容を確認します。
2コースとは、レインボーモータースクール和光の教習コースBの後に課題コースである「坂道発進、スラローム、一本橋、制動」を行なうというもの。卒業検定は減点方式で採点されます。100点の持ち点からミスごとに減点され、70点を下回ったら不合格。さらに転倒はもちろん、一時不停止、パイロン接触、一本橋落下、急制動オーバーは検定中止になります。検定不合格した場合は、再度卒業検定を受けなければならないのですが、その前に補修を1時限受けなければならないとのこと。つまり余計にお金がかかってしまうわけで、ここは一発クリアを目指したいところ。
緊張した顔を浮かべる唯さん。待合室でコースを再度確認します。「すごく緊張します。でもオーディションよりは緊張していないです」と、余裕があるのかないのか、よくわかりません。
こうして検定がスタート。休日に行われたこともあり、なんと20名以上が参加! ですので、グループ分けして検定が行なわれたのですが、唯さんはなんとトップバッターになってしまったのです。
ウインカーを付けて車線変更、標識を見て一時停止。ひとつひとつしっかりした動作で検定を進めていきます。ですが、緊張したためか、本来なら早めに3速を上げて走るところを、まさかの2速のまま。途中で気づいて慌てて3速にするなど、緊張の色は隠しきれません。そして慌てたのかコースミス! ですが、コースミスしても減点対象にはなりません。指導員の指示に従ってコースに復帰して、クランク、踏切、見通しの悪い交差点と次々課題を攻略していきます。
そして課題の坂道発進を終えてスラロームへ。パイロンを倒さず8秒以内で通過。続いて一本橋は足を付かず、7秒近くでクリア。最初の頃、怖さを覚えていた制動もしっかり停止でき、あとは正しい手順でエンジンを停止し、降車するだけ。検定は10分ほどで終了したのですが、相当長い時間に感じられたようです。
「コース間違えちゃいました」とはにかみながら戻ってきた唯さん。「大丈夫かなぁ」と心配そうです。さらに「修了後、検定員の方が何もおっしゃらなかったんですよ。それが怖いです」と、落ち着きがない雰囲気。
検定終了してから約1時間後。見事合格をもらった唯さんはホッとした顔で、卒業証明書を手にしました。これを持って免許センターに行けば、晴れてライダーの仲間入りとなります。
検定を担当した方に話を聞くと「だいぶ緊張されていたようですね。公道のことを考えると、本来ならもっとメリハリをつけて走られた方がいいかなと思います。3速に上げるのも遅かったですし、制動のところでブレーキをつかむタイミングも早かったですね」とのこと。話を聞きながら、よく見ていらっしゃるなぁと感心するスタッフ一同。「コースミスは緊張から来るものですからね。ですが道路に出ると、もっとプレッシャーがかかりますし、標識をはじめ見落としをしていけない部分は沢山あると思います。ですが、あとは経験を重ねるだけだと思いますね」と、唯さんに対してのアドバイスをもらいました。
こうして4月中旬に入校し、5月中旬から始まった唯さんの普通二輪免許教習も、3ヵ月で無事修了しました。「どうです? このまま大型取ります?」というスタッフからの問いかけに「今はちょっと……。お金もないですし、バイクにもっと慣れてから挑戦したいと思います」とのこと。慣れるといってもバイクは、ご本人はもちろん、ご実家の両親もお持ちではないのですが……。「ですから、これから取材で」とスタッフに微笑みかける唯さん。
【次回予告】最終回は実際に公道を走ってみよう!
こうして、唯さんの教習ライフはすべて修了しました。後日、唯さんは免許取得したことをご両親に報告。お父様からは「買っちゃいなよ」と意外な返事をいただいたそうですが、お母様からは「危ないから絶対にダメ!」ときつく言われてしまったのだとか。まずは、おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。あとはお母さまからバイクを買ってもいいとお許しが出れば万々歳ですが……。
次回は最終回「初めての公道走行」にチャレンジしてもらいます。お楽しみに!
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