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超パワーなM1 Pro/M1 Max搭載のMacBook Pro登場 新型AirPodsも! 第11回

これがM2ではなくM1であるという恐ろしさ

「モアポート派」が勝利した真のプロ用MacBook Proの登場

2021年10月20日 09時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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一挙に3つになったM1ファミリー

これがM2ではなくM1であるという恐ろしさ

 昨年発表され、すぐさま製品に搭載されたM1は、アップルの大きな転機となる重要なチップであり、高性能と低消費電力を両立したことによる衝撃は大きかった。それでも、今年にさらに高性能なチップが登場することは、当然予測されていた。にもかかわらず、今回のM1 ProとM1 Maxは、そうした予測をはるかに上回る衝撃だったと言える。

 まず驚いたのは、それが1つではなく2つだったということ。そして、その2つには、単なるメモリ容量などではなく、大きなパフォーマンスの差が付けられていたということだ。

 それぞれのチップの特長については、すでに他でも多くの記事で取り上げられているはずなので、ここでは繰り返さない。

 しかし、なんと言っても、いちばん驚いたのは、新しいチップが、「M2」ではなく「M1」だったことだ。この数字は、言うまでもなく世代を表すので、発表年度も改まり、これほどのパフォーマンスの差があるのだから、「M2」と呼んでも、まったく不自然ではないと思われる。現に、アップルが主にiOSデバイス用に開発しているAシリーズのチップの世代番号は、ほぼ1年ごとに1つずつ増えて今日に至っている。こうなると、おそらく来年以降に登場するM2や、それにProだのMaxだのが付いたチップは、いったいどこまで行ってしまうのか、末恐ろしさすら感じるほどだ。

 これはどちらでもいい憶測だが、今回発表されたM1 ProやM1 Maxは、たぶん昨年のM1と同時に計画され、設計が始められていたものだったのではないだろうか。だからこそ世代番号が同じになっていると考えられる。ただし、M1 ProやM1 Maxについては、トランジスター数もかなり多くなり、集積度も高くなったことで、製造プロセスにM1以上の課題があり、製品化にかかる期間がより長くなったのではないか。

 それにしても、最大64GBものユニファイドメモリを搭載するという、これだけ規模が大きく、ダイサイズも巨大なチップになると、さぞかし歩留まりも悪くなるのではないかと、古い頭の人間は心配になる。製品価格の中でチップ自体が占める比率は分からないが、それだけを考えても、新しいMacBook Proの価格は、かなり安いと思えてくる。

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