「Hitachi Social Innovation Forum 2021 JAPAN」で3氏が一堂に会し講演
日立Lumada、GlobalLogic、日立ヴァンタラのリーダー3氏が連携戦略を説明
2021年10月18日 07時00分更新
日立製作所は2021年10月11~15日、日立グループ最大のイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2021 JAPAN(HSIF2021 JAPAN)」をオンラインで開催した。「Lumadaのグローバル展開の加速 ~グローバルDXパートナーに向けて~」と題した講演では、Lumada事業を統括する日立製作所 副社長の德永俊昭氏と、GlobalLogic プレジデント兼CEOのシャシャンク・サマント氏、日立ヴァンタラ CEOのガジェン・カンディア氏が登壇。Lumadaへの取り組みとともに、大規模買収で注目を集めるGlobalLogicとの連携などについて触れた。日立のITセクターを牽引する3氏が一堂に会して講演を行ったのは、今回が初めてのこととなる。
Lumadaのグローバル展開加速に向けて重要な役割を担う2社
日立の德永氏は、「Lumada」の語源は照らす、解明する、輝かせるといった意味のIlluminateとDataを組み合わせた「Illuminate Data」であり、「お客様が持つ生産設備や建設機械、鉄道車両などから収集した現場データと、ITシステムから収集したビジネスデータをフルに活用して、新しい価値を創り出すエンジン」だと切り出した。
そのLumadaは「顧客協創」「XaaS」「デジタルプラットフォーム」という3つの要素で構成される。「2016年にローンチされて以来、Lumadaは着実に実績を上げ、成長してきた」「特に、サイバーとフィジカルをデータでリアルタイムにつなぐ『ミッションクリティカルIoT』が日立の強みであり、お客様に付加価値の高いサービスを提供している」(德永氏)。
そのLumadaのグローバル展開の加速に向けて重要な役割を担うのが、2021年7月に買収を完了したGlobalLogic、そして2017年9月に発足した日立ヴァンタラだ。德永氏は、両社は「グローバル展開において十分な能力と実績と有している」としたうえで、次のようにそれぞれの役割を説明する。
「GlobalLogicは顧客協創において豊富な実績を持ち、経営課題をいち早く明確にして可視化することができる。そのうえで、最先端のデジタルエンジニアリング技術を活かし、課題解決の手段をスピーディーにソフトウェア化する。一方で、日立ヴァンタラは『Lumada Solution Hub』にソフトウェアを蓄積するとともに、他のソフトウェアと組み合わせて経営課題を解決するデジタルソリューションを開発。これをマルチクラウド環境で、高品質、安定的なサービスとして提供し、お客様の事業をサポートする」(德永氏)
GlobalLogicは、2020年度実績で年率24%を超える売上げ成長を記録しており、顧客との取引継続年数は平均で10年間、売上継続率も114%と高い業績を達成している。德永氏は「この数字からも、GlobalLogicはお客様から高い信頼を得ていることが理解してもらえる」と、顧客との緊密な関係を持つことを強調する。
一方で日立ヴァンタラは、2020年11月発表のLumada Alliance Programを通じて、AWS、シスコ、Google Cloud、マイクロソフト、Salesforceなどとの強固なバートナーシップを構築。マルチクラウド環境でのサービスを提供するとともに、プラットフォーム上での高度なデータハンドリングを行うストレージ分野においては、市場のリーディングプレーヤーとして認知されていると説明した。
「日立は、GlobalLogicと日立ヴァンタラが持つケイパビリティを最大限活用し、Lumadaのグローバル展開を加速する。世界中の社会課題や企業経営の課題を、最先端のデジタル技術で解決するグローバルDXパートナーを目指す」(德永氏)