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新iPad miniで変わるアップル製品選び「利用シナリオ」の見直しが鍵
2021年09月28日 12時00分更新
発売前からiPad miniを試用していたが、このデバイスは従来のミニタブレットの枠組みを超えて、電子デバイスを用いた仕事のスタイル、あるいは日常的な情報端末の使い方、ひいてはパーソナルツールとして電子デバイスをどのように選ぶかを見直すきっかけになるデバイスだとヒシヒシと感じている。
「ちょっと高性能なミニタブレット」の枠を超える存在に
「いやいや、ちょっと高性能なミニタブレットですよね」ーー確かにハードウェア構成はミニタブレットに違いなく、どんなに高性能なSoCを搭載しようとも、その性能が求められていないのであれば意味がない。世の中には安価なミニタブレットがたくさんあるのだから、コンテンツ消費をするだけならば、それらの方が費用対効果が高いケースはたくさんある。
しかしアップルは、従来のiPad miniとほぼ同じ(厳密にいうとやや小さい)サイズ、iPhoneよりも薄い6.3mmのボディに最新SoCを詰めこみ、5G対応のセルラーモデルでも300g未満(297g)に収めてきた。
8.3インチのLiquid Retinaディスプレーは従来よりも横幅がやや狭くなっているが、縦方向いっぱいに伸びて表示画面を拡大。10:16と2:3の間ぐらいのアスペクト比を採用。このため一部の4:3にしか対応しないiPadアプリは上下を余らせての表示となるが、筆者の利用範囲では気になる場面はなかった。
画面を横に倒してのウェブブラウズなどでは、iPadOS 15のSafariのサイドバーが使いやすくなっているなど、iPad miniの新しい画面が使いやすいと感じる場面もある。
スピーカーが4個から2個になり、Touch IDを含めて全てのボタンが上部に移動といった小型化するための制約もあるが、M1搭載iPad Proで採用されたセンターフレーム機能搭載の超広角FaceTime HDカメラ(1080P)が採用されるなど、機能面ではほぼフル機能のiPadだ。
センターフレーム内蔵カメラはiPad Airには搭載されていないため、1世代進んだSoC「A15 Bionic」を搭載していることと合わせ、「iPad Airを最新技術で再武装して小型化した製品」と表現した方がイメージしやすい。搭載メモリも4GBで同等だ。
つまりミニタブレットであることも、高性能であることも間違いではないが、「できること」の多くは(純正のキーボードアクセサリーと接続端子がないことを除けば)iPad Airであり、さらにはiPad Proに近い存在だ。
そしてアップルは、iPad Proに始まるタブレット端末をベーシックなTouch IDのiPadとは異なるクリエイティブなツールとして作り込んできた。それは第2世代Apple Pencilなどのハードウェアやデザイン面での違いなどにもあらわれているが、単なるミニタブレットという枠組みを超越してきている一番の理由は、iPadOSの地道な改良だ。
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