PCパーツショップを巡っていると、いろいろ聞こえてくるスタッフの推しパーツ。当然、暑いこの季節は、冷却系パーツが増えるわけだが、なかでも推しが強かったのが「1000円台の価格の割に高風量、高静圧でおすすめ」というARCTIC製静圧重視向けファンの「P」シリーズだ。
Pシリーズは「鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第34回」で紹介したARCTIC製オールインワン水冷ユニット「Liquid Freezer II」に採用されているファンで、120mm径で1200円前後、140mm径で1400円前後と安価なのと、「Liquid Freezer II」での高評価で発売当初は売り切れるショップが目立っていた。
水冷ラジエーターだけでなく、PCケースの吸排気のバランスを整え、各種パーツの冷却効果を高めるのにもおすすめの静圧重視ファンPシリーズの120mm径「P120 PWM」と「P140 PWM」を試してみることにした。
現状国内では、2種類のPシリーズがある。1つ目はオリオスペックで扱っている「P1x0 PWM PST」シリーズで、ケーブルがデイジーチェーン仕様になっている。その分、やや価格は高めで、120mm径「P120 PWM PST」で1650円、140mm径「P140 PWM PST」で2380円となる。
もう一方が、新たにARCTICの国内代理店となったサイズ扱い品で、デイジーチェーンコネクター(PST型番)を備えない「P1x0 PWM」になる。
回転数の幅や風量、静圧といったスペックはまったく同じで、電源ケーブルにデイジーチェーンコネクターを備えているか、いないかの違いだけだ。複数台のケーブルをキレイにまとめたい時は「PST」がおすすめだ。ただ、コスト的にはデイジーチェーンではなく、2または3分岐4ピンケーブルや、延長4ピンケーブルを環境に合わせて購入したほうが良いかもしれない。
120mm&140mm径の「P1x0 PWM」を買ってみた
旬なARCTIC製PCケースファンの「P120 PWM」と「P140 PWM」を購入して、騒音値や冷却性能を実際に試してみたのでレビューしていこう。
スペックは120mm径となる「P120 PWM」と「P120 PWM PST」が回転数200~1800rpm、風量56.3CFM(95.65m3/h)、静圧2.2mmH2O。140mm径となる「P140 PWM」と「P140 PWM PST」は回転数200~1700rpm、風量72.8CFM(123.76m3/h)、静圧2.4mmH2Oになる。軸受と騒音値は共通で、軸受は流体軸受、騒音値は0.3sone(22.5~24.5dB)になっている。
ファンブレードの形状や枚数などは両サイズに違いはなく、140mm径は120mm径をそのまま大きくした感じだ。価格は1000円台だが、フレームの剛性は高い。
Pシリーズスペック表 | ||||||
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製品名 | P12 PWM(P12 PWM PST) | P14 PWM(P14 PWM PST) | ||||
サイズ | 120×120×25mm | 140×140×25mm | ||||
軸受 | 流体軸受 | 流体軸受 | ||||
回転数 | 200~1800rpm | 200~1700rpm | ||||
風量 | 56.3CFM/95.65m3/h | 72.8CFM/123.76m3/h | ||||
静圧 | 2.2mmH2O | 2.40mmH2O | ||||
騒音値 | 0.3sone | 0.3sone | ||||
実売価格 | 1200円前後(1650円前後) | 1400円前後(2380円前後) |
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