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Lightroom Classic、Photoshop、PremiereProでの使用感を検証

13万円台で動画編集も快適、Ryzen 7&GTX 1650 Ti搭載のクリエイター向け15.6型ノートPC「raytrek G5-R」の実作業での性能をチェック

2021年07月21日 13時00分更新

文● 周防克弥 編集●八尋/ASCII

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「raytrek G5-R」

 サードウェーブのクリエイター向けパソコンブランド「raytrek」から、13万4979円でAMDの「Ryzen 7」とNVIDIAの「GeForce GTX 1650 Ti」を搭載したノートパソコン「raytrek G5-R」が発売された。前回チェックしたベンチマークテストの結果をみるとRyzen 7 4800HとGeForce GTX 1650 Tiの組み合わせで、かなりのパフォーマンスを発揮することができるのが確認できた。

 いずれのテストのスコアをみても、ハイエンドクラスとはいかないまでもミドルクラスでも上位に入る処理能力といえ、本格的な作業でメインマシンとしての利用も可能ではないかと思えるほどだ。

 そこで今回は、より実用的な実際の作業を行って「raytrek G5-R」の実力をチェックすることにした。テスト内容は、私が普段仕事で行なっている内容に近く、実用性を重視。Adobeの「Photoshop Lightroom Classic」でのRAWデータから、PSD形式とJPEG形式への書き出し時間の計測、及び補正や修正作業を行なった際の使用感、「Photoshop」での補正と修正作業の使用感、「PremierePro」での4KとフルHDの動画書き出し、及びエフェクトや補正を行なった場合の使用感を、主観中心になるがレポートしよう。

 まずはPhotoshop Lightroom Classic。デジカメユーザーにはお馴染みの、RAW形式からPSD形式やJPEG形式へ変換するソフトだ。

 今回は、2400万画素でのデジカメで撮影したRAWデータ500枚をPSD16bit形式とJPEG(最高画質)への書き出しに要した時間の計測。加えて、修正や補正を行なった場合の作業感をチェックだ。なおRAWデータからの書き出しでは補正や修正はまったく行なわずに読み込んだ状態から、そのまま書き出しを行なっている。

書き出しは基本的にCPUの仕事でクロックは4.10GHz程度までは上昇している。ストレージもNVMe接続なのでPSD16bit形式での書き出しでも書き込み待ちは発生しない

Lightroom Classicの補正作業では、内蔵グラフィックだけでなくディスクリートGPUも機能的に動作する。補正する内容によって変わるが、部分的に明るさを変える「円形フィルター」では画面描写を内蔵グラフィックが担当し、補正量に合わせたプレビュー作成をGeForce GTX 1650 Tiが担当しているようにみえる

 書き出しに要した時間はPSD16bit形式で約12分22秒、JPEG(最高画質)で約12分24秒となった。同クラス帯のCPUでベンチ結果では「Ryzen 7 4800H」よりもスコアの低い「Core i7-9750H」や「10750H」は8分弱で処理が完了するので、それらと比べると時間がかかってはいるが、1枚あたりの処理時間は約1.4秒と十分に実用的な速度で処理は行なえている。

 Lightroom Classicはテスト時最新バージョンだったが、これはおそらくLightroom Classic側の問題だろう。比較的新しい「Ryzen 7 4800H」にはまだ最適化が進んでいない可能性が高く、今後のアップデートで変わるのを期待したい。

 書き出しこそ時間がかかるが、プレビュー作成や補正の反映も早く作業そのものは快適に行なえた。書き出し中はほかのことをするとパソコンの負荷が上がるので、なにもしないことが多いため、多少時間がかかっても問題はない。

 続いて、定番のフォトレタッチソフトのPhotoshop(バージョン22.4.2)でチェック。6000x4000ピクセルのPSD16bit形式のデータを開いて、修正や補正作業を行なってみた。

背景ボケを後から追加できるフィルターで、補正に合わせたプレビュー作成にディスクリートGPUを利用する

遠近感を直したり誇張する変形は、建築写真で頻繁に利用する機能だ。これもディスクリートGPUの効果が大きく、プレビュー表示がリアルタイムに近い速度で生成され表示される

 Photoshopでの作業は快適そのものだ。ディスクリートGPUの機能は一部のフィルターや処理で有効になり、補正量を調整するカーソルの動きに合わせて即座にプレビューが反映されるので、細かい微妙も調整も集中して作業できる。

 プロからアマチュアまで多くのユーザーが利用している動画の編集ソフトのPremierePro(バージョン15.2)でもチェック。2400万画素のデジカメで撮影した4KとフルHDの約30秒の動画をつなぎ合わせて、約10分の動画を作成し、それぞれ4KとフルHDでの書き出しにかかる時間を計測した。

 書き出し時の設定は、PremiereProにプリセットされているYouTube用の設定で書き出し形式だけMP4に変更している。テストに使った動画はエフェクトや補正は一切行なわず単純に動画をつなぎ合わせいる。

クロックは4.10GHzあたりまでの上昇が確認できた。CPUは100%に近い稼働率で、GeForce GTX 1650 Tiは50%程度に収まり、DUDAコアによるハードウェアアクセラレーションが機能しているようだ

明るさの補正でトーンカーブを利用すると、GeForce GTX 1650 Tiの負荷が100%近くまで上昇する。しかしプレビュー反映に遅延は感じず、操作感は良好だ

 4K動画の書き出し時間は約3分47秒、フルHD動画は2分15秒。ともに短時間での書き出しが可能で、ノートパソコンとしてはトップクラスの書き出し速度といえる。エフェクトや補正を行まった場合のプレビュー反映も早く、操作感は良好。PremiereProで動画編集を行なうならraytrek G5-Rを選んで間違いはないだろう。

クリエイター入門からプロの持ち運びマシンまで幅広い層にオススメできる1台

13万円台とリーズナブルな価格も魅力

 今回、3つのソフトでその実力を確認してみたがかなりの手応えを感じた。Lightroom Classicでの書き出しだけ多少の疑問点はあるが、書き出しにだけ時間がかかり、補正や修正の作業自体はとても快適に行なえるので、運用上の問題にはならないと思える。いずれのソフトでも、作業性は良好で仕事用の道具として十分に通用すると思える。

 最近はクリエイター向けのノートパソコンも多く出ているが、Ryzen 7 4800HとGTX 1650 Tiを採用するraytrek G5-Rは、その消費電力の低さながらも抜きん出たCPUパワーによって、同クラス帯のほかのクリエイター向けノートパソコンよりもとても高いコストパフォーマンスを持っている。

 ただコスト的に優れているというだけでなく、性能面でハイエンドクラスに匹敵する処理能力を持っていて、メインパソコンとして運用できる性能だ。場所を選ばずに作業したいクリエイターや持ち出しても性能を犠牲にしたくない人、これからパソコンでクリエイティブ的な作業をしたいと考えている人にも最適な1台だろう。

試用機のraytrek G5-Rの主なスペック
CPU Ryzen 7 4800H(2.9GHz~最大4.2GHz)、8コア/16スレッド
グラフィックス GeForce GTX 1650 Ti(4GB GDDR6)
メモリー 16GB
ストレージ 512GB SSD(M.2接続/NVMe対応)
ディスプレー 15.6型(1920×1080ドット)、sRGBカバー率約99% (sRGB比約100%)/AdobeRGBカバー率約76%(AdobeRGB比約77%)
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.1
インターフェース USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、USB 2.0、マイク入力、ヘッドフォン出力、HDMI2.0、miniDisplayPort×2、SDカードリーダー
サイズ/重量 およそ幅359×奥行243×高さ20.5mm/約1.9kg
OS Windows 10 Home(64bit)

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