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ソニー・肥後銀行・肥銀カードが共同で商用化へ

「くまモンのICカード」にスマホからチャージする実証実験、地域交通系ICカードの利便性向上へ

2021年07月06日 18時30分更新

文● ASCII

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実証実験の枠組み

 ソニーは7月5日、熊本地域振興ICカード「くまモンのICカード」にスマートフォンから入金チャージできるサービスの商用化に向けた実証実験を発表した。肥後銀行と肥銀カードと共同で、7月中に開始する予定。

 本サービスは、非接触ICカードにかざすと情報の読み書きができる、スマホのリーダー/ライター機能を活用する。実証実験では、利用者がスマホにくまモンのICカードをかざし、アプリ内でチャージ金額を入力して実行すると、肥後銀行の口座から入金できる仕組みが適切に機能するかを検証する。

 肥後銀行および肥銀カードはチャージ用のスマホ向けアプリケーションと同行の口座から入金できる仕組みを提供し、ソニーはスマホのリーダー/ライター機能を利用してICカードへアクセスする仕組みを提供する予定。

 今月から始まる1回目の実証実験は、各社関係者のみ対象となる。9月1日〜10月末に実施予定の2回目の実証実験では、くまモンのICカードの一般ユーザーから1000人以上のモニターを募る予定。本実証を通じて、商用化に向けた技術・運用・事業面での課題の精査や分析、検証を行なう。

 スマホの操作だけでチャージや決済できる、スマホに交通系ICカード機能を直接搭載するサービスは、主に首都圏での導入にとどまっている。そのため、他の地域の交通系ICカードの利用者は、駅や店舗、公共交通機関内などにチャージ環境が限られている。

 本サービスが商用化した際には、くまモンのICカードをはじめとする地域交通系ICカードにもスマホからチャージできるようになり、子どものICカードに親がスマホから必要な時に必要な金額だけチャージするといった使い方が可能になる。また、買い物でもくまモンのICカードの利用が増え、熊本県内のキャッシュレス決済の普及が期待できるという。

 商用化後には、本サービス向けに構築したスマホ向けアプリ・業務サーバー・チャージサービス用のプラットフォームを、他地域の交通系ICカードにも展開することも検討している。

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