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松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」 第3回

フローチャートに沿ってコネクタをつなぎ、設定すればノーコードですぐに完成

メールの添付ファイルを自動処理する簡単なワークフローを作ろう!

2021年06月23日 08時00分更新

文● 松本典子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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3-2. For eachコネクタの設定

 トリガーを設定したので、次は後続のコネクタで「アクション」を設定します。

判定部分の部のフローチャート化

 ②の部分では「添付ファイル名に『請求書』の文言が含まれる」場合のみ、処理を行うように「判断」する必要があります。

 Azure Logic Apps / Power Auotmateには、ワークフロー内で繰り返し処理や条件分岐処理を実行する特殊な「制御」コネクタが用意されています。上述した判断の処理(条件分岐処理)は、制御コネクタの「条件」アクションでメールの添付ファイル名を参照し、「請求書」という文言が含まれるかどうかで次のアクションを切り替えることになります。

 ただし、ここではまず、特定ブロックの繰り返し処理(ループ処理)を行う「For each」アクションを用意して、そのブロックの中に「条件」アクションを組み込むかたちとします※注。これは、メールに複数のファイルが添付されているケースに対応するためです。条件アクションでは、一度に1つの添付ファイル名しか参照できないので、For eachループですべての添付ファイル名をチェックし終えるまで繰り返すわけです。

※注:Azure Logic Apps/Power Automateでは、ワークフローの作成中にFor eachアクションが必要なステップが発生すると、自動的にFor eachアクションを追加してくれます。今回のワークフローでも、For eachを用意せず条件アクションを追加、設定すると、自動的にFor eachアクションが追加されます。ただし、本稿の目的は仕組みを学ぶことなので、今回はあえて手作業でFor eachアクションを用意します。

制御コネクタの検索

ワークフロー内の「+新しいコネクタ」をクリックします。

  1. 検索窓に「制御」と入力
  2. 「制御」コネクタをクリック

For eachアクションの選択

 表示された一覧の中から「For each」アクションをクリックします。

For eachアクションの設定

 For eachアクションが追加されると、「以前の手順から出力を選択」という入力欄が表示されます。この枠内をクリックして、「動的なコンテンツ」から「添付ファイル」をクリックすると、図のような表示に変わります。

 この設定によって、メールの添付ファイルがすべて処理し終わるまで、For eachループ内の処理(ここでは条件アクションによる判断処理)が繰り返されることになります。

条件コネクタの検索

 続いて、For eachアクションの枠内にある「アクションの追加」をクリックします。

 制御コネクタの条件アクションを追加するので、再び制御コネクタを検索して、「条件」アクションをクリックします。

条件コネクタの設定

 上図中の1~3を設定して、ここで判断する条件を指定します。具体的には次の操作となります。

動的なコンテンツから選択

  1. 「動的なコンテンツ」から「添付ファイル 名前」を選択
  2. 一覧から「次の値を含む」を選択
  3. 「請求書」と入力

3-3. OneDriveコネクタの設定

 最後に、③の添付ファイルを保存するアクションを設定します。

ファイル自動保存部分のフローチャート化

 条件に当てはまる場合のみ添付ファイルの保存処理を実行させたいので、「True」「False」と分かれているブロックのうち「True」のほうにアクションを追加します。なお、条件に当てはまらなかった場合は「False」ブロックのアクションが実行されます(今回は処理なしなので何も設定しません)。

Ture内にコネクタを追加

 「True」の中の「アクションの追加」をクリックします。

OneDriveコネクタの検索

  1. 検索窓に「OneDrive」と入力
  2. 「OneDrive for Business」をクリック

OneDriveコネクタの選択

 一覧から「ファイルの作成」をクリックします。

OneDriveコネクタの設定

 初めて「OneDrive for Business」コネクタを利用する場合、サインインを求められます。サインインすると、図のような表示に変わるので設定します。

  1. フォルダーのパス:「1. OneDriveの準備」で作成したフォルダを選択
  2. ファイル名:動的なコンテンツから「添付ファイル名前」を選択
  3. ファイルコンテンツ:動的なコンテンツから「添付ファイルコンテンツ」を選択

4. ワークフローの保存

ワークフローの保存

 以上で今回のワークフローが完成しました! ただし、このワークフローはまだ保存されていません。必ず画面上部のタブにある「保存」をクリックして、ワークフローを保存してください。

 保存することで、このワークフローは有効化され、条件を満たすメールを受信すると自動的に処理が実行されるようになります。

5. ワークフローの止め方

ワークフローを「無効」にする

 ワークフローを有効にしておくと、トリガーの条件を満たすたびに(今回の場合は添付ファイル付きメールを受信するたびに)処理が自動実行されます。

 ユーザーがいちいち操作をしなくても自動実行してくれるので便利なのですが、一時的に自動実行を止めたい場合があるかもしれません。その場合は次のようにして、ワークフローを無効化することができます。

  1. タブ上の「無効」をクリック
  2. 「状態」の表示が「有効」から「無効」に変わります。

 なお、これは一時的に処理を止めているだけなので、いつでも再有効化することができます(タブ上の「有効」をクリック)。もしも作成したワークフローそのものが不要になった場合は、「削除」をクリックすれば削除されます。

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