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テレワークで失われたコミュニケーションを取り戻せるのか?

とにかく軽い!富士ソフトの仮想オフィスサービス「FAMoffice」を体験した

2021年05月27日 17時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 富士ソフトは仮想オフィスサービス「FAMoffice(ファムオフィス)」を6月15日から発売開始する。2021年5月26日、FAMoffice上で開催された発表会では、製品概要の説明と体験会が行なわれた。

FAMofficeの仮想オフィス

テレワークで失われたコミュニケーションを仮想オフィスで実現

 FAMofficeはクラウド型の仮想オフィスサービスで、「あつまる、つながる、ひろがるオフィス」をコンセプトとする。バーチャル空間上に作られたオフィスに自らの分身となる「アバター」として出社し、テレワークで失われたと言われる相談や会話などの社内コミュニケーションを実現する。

 アバターは色を変えたり、「会議中」「取り込み中」「外出中」「食事中」などステータスを表示したり、コミュニケーションのきっかけになるつぶやきを表示することも可能。アバター同士は重ねるだけでビデオ会議を始められ、アバター内に顔が表示されるので立ち話のような感覚が味わえる。4人以上は会議室を利用でき、アバターは会議室に着席するだけでビデオ会議を開始できる。

会議室に入るとビデオ会議が開始。資料も共有できる

 また、バーチャルのメリットを活かした機能として、複数プロジェクトの異なる座席に自分を座らせておく「マルチアバター」も提供される。その他、出退勤時刻の表示や資料・ホワイトボードの共有、チャットなどの機能も用意されるという。

 FAMoffice上で行なわれた発表会には、富士ソフト プロダクト事業本部 副本部長 松浦直樹氏が登壇し、「リアルを可能な限り仮想空間で再現する」「とにかく手軽に使える」の2点を開発目標にしたとアピールした。また、デジタル改革担当大臣の平井卓也氏もコメントを寄せたほか、先行導入したユーザー企業のコメントなども披露された。

富士ソフト プロダクト事業本部 副本部長 松浦直樹氏

価値ある体験の実現のためブラッシュアップ

 もともと、FAMofficeは富士ソフトの社内ツールを外販化したものだ。同社はコロナ禍で社員の約7割がテレワークに移行したものの、アンケートをとってみると、社内コミュニケーションに課題が抱えていることがわかったという。具体的には、「声がけや雑談が減った」「チームメンバーの状況がわかりにくい」といった上司目線の課題や、「相手が見えず相談しずらい」「1日中1人で作業をしているので孤独感を感じる」といった部下からの声が上がったという。

 FAMofficeの試作品を開発した富士ソフトは、昨年7月から社内のトライアル導入を進めるとともに、ユーザー企業での先行導入と評価を開始。サービスデザインの手法を取り入れて、インタビューを繰り返し、価値ある体験の実現のためにブラッシュアップを進めてきたという。そして、昨年末にはプレスにもお披露目され、製品化の進捗をアピールしてきた。

 実際にFAMofficeを体験してみると、とにかく動作が軽いことに驚く。最近は同種の仮想オフィスサービスも増えているが、複数ユーザーのマウス操作結果をレンダリングし、バコミュニケーションのために音声やビデオも扱わなければならないため、概して動作は重い。アバターが思うように動かなかったり、メニュー操作に手間取るサービスも多い。その点、今回体験したFAMofficeはマウス操作も軽快で、音声やビデオのやりとりもスムーズだった。「チャットやビデオ会議のようなメインのコミュニケーションツールではないので、常駐させても邪魔にならない。とにかく軽く作られている」(富士ソフト)とのことで、通信量も小さいという。一方で、フロア全体のナビゲーションやバーチャルならではのメリットという点ではまだ機能強化の余地があると感じられた。

日本らしいシマベースのオフィス

 サービスの価格は月額3万円(100ユーザーまで)で、追加ユーザーごとに月額300円になる。2023年度までに1000社の導入を目指すという。

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