NTTドコモは5月24日、高精細映像伝送システムを用いた4K映像による消化器内視鏡映像のリアルタイム伝送の実証実験に成功したと発表した。
本実証実験は、「5Gを活用した映像伝送ソリューションの医療機関向けモニタープログラム」に参画した神戸大学、香川大学、高知赤十字病院と共同で3月30日に実施したもの。
オリンパスが製造・販売している内視鏡システム「EVIS X1(イーヴィス エックスワン)」を、モニタープログラムにて使用しているリアルタイム4K映像伝送システム「LiveU(ライヴユー)」に接続し、高知赤十字病院消化器内科内視鏡室で行なわれた内視鏡検査の4K映像を、4Gを6回線束ねた5Gと同等レベルの携帯電話回線を使い、神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター(ICCRC)、香川大学医学部附属病院、高知赤十字病院カンファレンスルームに向けて伝送を試み、遠隔地での模擬トレーニングを実施した。
また、内視鏡映像に加え、内視鏡画像に合成した手技を行なう医師の手元の映像も遅延なく伝送することにも成功した。
本実証実験の結果は、内視鏡先進医療機関同士が連携しナレッジを共有することで、さらに充実した医療を展開できることを意味するという。また、このような先進技術を医療現場に展開することで、コロナ禍においても質の高い医療を全国に展開することも期待できるとする。
ドコモは、今後の医療現場における高精細リアルタイム映像伝送の利活用の可能性を探り、将来的には5Gを活用したさらなる低遅延でかつ高精細な医用映像伝送の実現につなげるとしている。