佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第73回
日本人のこだわりも意識
フランス発の高音質再生ソフト「Audirvana」がサブスク化、Roonとの差別化は?
2021年05月17日 13時00分更新
最適化に徹したAudirvana、クロスプラットフォームに強いRoon
Audirvanaは、Macにおけるインテジャーモードの採用に代表されるように、OSの低レベルの最適化に徹して高音質化を図ったソフトウェアだったが、低レベルの最適化を推し進めようとするとどうしてもMacとWindowsという両方のプラットフォームを推進していくのに限界が生じるだろう。
一方でRoonは、既存のネットワークサーバーの中核部分がスピンオフして生まれたソフトウェアであり、はじめからユーザー体験(特に操作性とライブラリ機能)については完成度が高かったという強みがあった。また音質については低レベルをマニアックに極めているわけではないが、RAATによるプロトコル上の工夫でジッターを低減してシステム全体の音質を高めるアプローチを取っている。これはMacでもWindowsでも適用しやすいので、クロスプラットフォームに向いたアプローチだと言える。
Roonに対抗するためにはAudirvanaも思い切った改革が必要と言えるだろう。
いずれにせよマニアックな音楽再生ソフトウエアの代表格であるAudirvanaが今後どう進化していくのか、楽しみである。
この連載の記事
-
第275回
AV
ソリッドなステンレス筐体とK2HDサウンド、iFi audioの「Go bar 剣聖」 -
第274回
AV
いよいよSpotifyもロスレス配信か、Redditに解析情報 -
第273回
AV
ソニーが米国で展開し始めた、重低音新シリーズ「ULT POWER SOUND」とは? -
第272回
AV
自然な文章でプレイスリスト作成をうながせる、Spotifyの新機能 -
第271回
AV
音楽生成AIの進化速度に舌をまく、無料でも試せるStable Audio 2.0を使う -
第270回
AV
耳をふさがないイヤホンで高音質を追究したい人に、Cleer Audioがいいぞ!! -
第269回
AV
期待が高まる「Fokus Triumph」の音、NobleのMEMSスピーカー搭載イヤホン第3弾 -
第268回
AV
XPAN技術やWi-Fi 7、UWBなどをAIで統合した、クアルコムのFastConnect 7900 -
第267回
AV
K2HDに対応、個性的な機能備えたiFi audioのスティック型USB DAC「GO bar剣聖」 -
第266回
AV
日本とは異なる趣を持つ、ドイツのヘッドホンイベント“The World of Headphones” -
第265回
AV
Apple MusicとSpotifyの争いが飛び火? 欧州委員会がアップルに制裁金 - この連載の一覧へ