深澤直人氏デザインのスタイリッシュ冷蔵庫
アクアジャパンが発売した「AQR-TZ42K」は、世界的プロダクトデザイナーである深澤直人氏がデザインした「ラグジュアリー冷凍冷蔵庫」の第2弾製品となる。
第1弾製品は、2019年3月に発売した「AQR-TZ51H」。この製品がニユーノーマル時代において注目を集めた。それを象徴する出来事が、同製品の購入理由のトップにあがったのが「デザイン」であり、全体の72%を占めたという点だ。
「ニューノーマル時代になり、冷蔵庫をインテリアのひとつとして捉え、デザインを重視する人が増加している。冷蔵庫がキッチンの片隅に置かれる脇役ではなく、家具、インテリアの一部、自分を表現するツールに変わってきおり、その潮流は、昨今のニューノーマル生活においてさらに加速した。デザインで冷蔵庫を選ぶ時代が確実に訪れており、冷蔵庫のラグジュアリー化の波が訪れている」と、アクアジャパンの吉田庸樹代表は語る。
プロダクトデザイナーの深澤直人氏は、「欧州では、冷蔵庫をキャビネット化する動きがあり、家具のように捉えているが、その一方で、米国では、最初から家に設置されているなど、設備化され、自分では選べない状況になっている。地域によって状況は様々だが、日本では自分で家電を選ぶということが多く、それをキャビネットのなかに隠すというのは難しい」と前置きしながら、「日本の生活スタイルはどんどん変化している。そのなかで、きれいな冷蔵庫が欲しいが、キャビネットのなかに隠すわけにはいかないという状況にある。AQUAの冷蔵庫は、その中間領域を目指した最適解のデザインであり、このアイコンはしばらく続くと考えている」とする。
AQUAでは、第1弾製品で、「冷蔵庫新時代」という言葉を使ったが、まさに冷蔵庫をインテリアとして捉える新たにニーズが生まれているというわけだ。
アクアジャパン商品本部の⼭本陽護氏は、「これまでの冷蔵庫とは異なる反応があった。SNSには、購入した女性からの投稿が多く、口コミで良さが広がっていった。また、ここでは、『ひとめぼれ』したという、これまでの冷蔵庫にはないワードがよく使われた。なかには、AQUAの冷蔵庫を購入するためにキッチンのサイズをあわせたというようなプレッシャーを感じる言葉もあったほどだ。AQUAの冷蔵庫は、三洋電機の流れを汲んでいるが、その時代を含めて、こうした評価を得たのは初めてのことである」と振り返る。
対面式キッチンが増加し、キッチンにおける冷蔵庫の存在感が増し、インテリア性を重視する家庭が増加。加えて、おうち時間が長くなるコロナ禍において、デザインを重視した同製品の評価がさらに高まったといえる。実際、2020年の販売実績は、2019年の1.8倍にも増加したという。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ