写真好きにとって大事なのは「交換レンズ」なんだけど、ここ1年くらい、猫スナップ好きにありがたいトレンドがやってきてるなと思うのである。
それは小型軽量で機動力重視なレンズたち。単焦点ではここでも何度か紹介したシグマのIシリーズがそうだし、ズームレンズでもコンパクトで携帯性が高い製品が続々出てきてるのだ。でもって「これは猫撮り散歩に最適」と思ったのが、富士フイルムから発売される「XF 70-300mm F4-5.6 R LM OIS WR」。記号が並んで長いけど、まあ70-300mmの望遠ズームである。
これがうれしいのはぐぐっと寄れること。普通、望遠になればなるほど撮影最短距離が長くなるので、近くのものを撮るのが苦手なんだが、このレンズは比較的近く(1m弱くらい)までピントが合うので猫のドアップを撮れるのだ。
じゃあまずドアップシリーズいっちゃえ、というわけで、いつもの「保護猫シェルター QUEUE」におじゃましてきたのである。ドアップで撮るなら猫がお昼寝する午後が一番。気持ちよさそうに寝てるキジトラさんから。
続いて、カメラを向けたら薄目をあけたキジトラのハチワレ。
次は黒猫。魚(でいいのか?)のぬいぐるみを抱くように寝てた姿がよかったので、無理に最望遠にはしないで撮影。
冒頭写真も望遠にしすぎないで、黒猫に寄り添ってお昼寝するチャトラを狙ってみた。寄り添って寝ると暖かいのだ。 なんかちょっと離れて望遠レンズで撮ると、遠くからそっと見守ってる感が出て、近寄って撮るのとは違う味が出る。そうそう、顔をアップで撮るときは露出に気をつけること。白っぽい猫を撮るときは白さがより際立つようにプラスの補正を、黒っぽい猫を撮るときは黒がより引き締まるようにマイナスの補正をベースに考えたい。細かいところはモニターを見ながらって感じだ。
でもって目を開けた顔をアップで撮るときに大事なのは、ピント! 猫瞳AFがない場合、カメラ任せだと鼻の頭に合うことが多い。そうすると目元がボケちゃう。目に合わせようとすると、今度は瞳ではなくその上の眉骨あたりの毛にピントが合っちゃう。なのでピントがシビアな時はこの辺に合わせるようにしてる。
この子、見てるとお昼寝から起きて毛繕いを始めておおあくび。最高に口を開いた瞬間を狙ってみた。
さらに舌で鼻をペロリ。丁度いいタイミングで撮れて満足である。しかもアップで撮れてるので、舌が鼻に食い込んでる様子もばっちり。
というわけで近寄って撮れる望遠ズームで猫の顔三昧してみた。次回はこのレンズを持って外へ出て、近寄らせてくれない猫たちを撮ってくる予定だ。
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筆者紹介─荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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