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IoT入門に最適!シチズン開発者に聞いた「iiidea Player」アプリを上手に楽しむ方法

2021年03月09日 09時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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iiidea Playerアプリの設定から「Apple Watch用」としてiiideaを選択、同期をかけるとApple Watchをトリガーにしてiiideaが実行できるようになる

スマートウォッチやAIアシスタントとの連携
iiidea Playerは進化を続ける

 つながるデバイスがiiidea Playerアプリを動かせるスマホにも拡大したことで、今度もRiiiverのプラットフォームにいっそうの多様性が増してくるだろう。筆者が以前にシチズンの開発担当者を訪ねた際に、今後はスマホアプリでiiideaを起動して、遠く離れた場所にいるEco-Drive Riiiverを身に着ける友人に通知を飛ばしたり、反対にRiiiver対応のスマートデバイスを装着する家族の健康状態を確認するといったことも可能になるだろうという話を聞いた。植村氏に確認したところ、このような使い方が年内をめどに実現できるよう、現在鋭意開発を進行中であるという答えが返ってきた。

 筆者は、iOS 14以降からホーム画面に配置できるようになったウィジェットに、iiidea Playerが対応することも有効だと考える。現在はiPhoneのスリープを解除してからiiidea Playerアプリを立ち上げ、iiideaを選択して走らせなければならない。よく使うiiideaはホーム画面に置き、アプリの起動を省略できれば使用頻度は間違いなく上がり、IoTサービスへの親近感も深まるはずだ。

 植村氏は、今後iiidea PlayerをトリガーにしてスマホのAIアシスタントを起動する使い方も検討を進めているという。iPhoneの場合はさらにSiriからiOS標準のショートカットアプリを呼び出して、様々な機能やサービスを動かすようなおもしろいアクションに連鎖する可能性もある。

Apple Watchの画面から実行したiiidea Playerの結果がすぐに確認できる

 Apple Watchのコンプリケーション対応にも話題が及んだ。こちらも現在実現に向けて鋭意準備を進めていると植村氏は答えている。Androidスマホのユーザーにとっては、Wear OS by Google搭載スマートウォッチが今後Riiiverのプラットフォームに乗り入れる可能性についても気になる所だろう。植村氏は、Apple Watchへの対応により見えてきた体験価値と課題を、グーグルのWear OSにもできるだけ速やかに反映させたいと話している。楽しみに待とう。

Eco-Drive Riiiverのあるべき形も変わる

 iiidea Playerアプリが誕生したことが、今後シチズンのEco-Drive Riiiverシリーズの「スマートウォッチとしてのあり方」に良い影響を与えるかもしれない。

 「Eco-Drive Riiiverの今のスタイルは情報を針で指し示すことを前提としているが、スマホでiiidea Playerアプリが併用できるようになれば、今後Eco-Drive Riiiverは腕時計として必要な要素に絞り込み、無駄をそぎ落とす方向に進化を続けるかもしれない」と植村氏は語っている。もしそうなれば、今後はEco-Drive Riiiverのスマートウォッチに新しいデザインが増えたり、女性向けにヘッドの小さなモデルを開発しやすくなるのだろうか。きっと歓迎するユーザーも少なくないと思う。

 IoTプラットフォームとしてのRiiiverのコラボレーションは今年、シチズンにとっては同業のライバルとなるソニーのスマートウォッチ「wena 3」にも広がる。シチズンはリストバンド型のスマートデバイスであるソニーのwenaに、これまでいくつも腕時計のヘッドを提供してきたパートナーでもある。今度の両社によるコラボレーションは、2021年の夏までにIoTプラットフォームの相互乗り入れを実現するという、より深いところまで踏み込んだものになる。シチズンの腕時計のバックル部に、wena3を採⽤する製品も現在開発が進められている。wena 3には、高い視認性を確保した大型有機ELディスプレーが搭載されている。iiideaの実行結果をディスプレーで見たり、タッチ操作も簡単にできることから両者の相性はとても良いように思う。コラボモデルの完成が待ち遠しい限りだ。

 Eco-Drive Riiiverシリーズのスマートウォッチが、発表から3年目を迎えた。植村氏は「ユーザーに楽しく使ってもらえるRiiiverのプラットフォームをここまで拡大できた背景には、やはり数々のパートナーと良い連携を築くことができたから」だと、これまでの歩みを笑顔で振り返った。新たにiiidea Playerアプリが加わることがRiiiverの世界全体にどんなインパクトをもたらすのか、これからも注目したい。

 

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