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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第133回

アップル「Apple Car」とはそもそも何か

2021年03月01日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●そもそもApple Carって?

 「Apple Carがアップル社内で作られる」という話については、2012年の役員人事にさかのぼると良さそうです。

 2012年6月、長年製品のエンジニアリングを担当してきた役員、ボブ・マンスフィールド氏が退任するという人事が発表されました。しかしその直後の8月、マンスフィールド氏の引退は取り消され、同じタイミングでマンスフィールド氏と同じハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントの地位に、ダン・リッチオ氏が昇格しています。

 マンスフィールド氏はアップルに残り、2013年7月にシニアバイスプレジデントを辞任。ティム・クックCEO直属の特別プロジェクトを率いることになります。このプロジェクトが、自動運転車開発であるとされています。

 マンスフィールド氏は2020年に引退。グーグルからやってきた機械学習と人工知能を担当するシニアバイスプレジデント、ジョン・ジャナンドレア氏が、プロジェクトを引き継ぎました。

 こうした人事を見ると、Apple Carのプロジェクトは、Macintosh開発の中心人物だったハードウェアエンジニアから、AIに強いソフトウェアエンジニアへと受け継がれたことが分かります。

 ちなみにリッチオ氏はクックCEOと同じコンパックの出身で、2010年にiPadが発表されると、iPadのエンジニアリング担当役員になるなど、Appleの新しい製品カテゴリの立ち上げを経験しています。

 そして2021年1月、リッチオ氏は新しいプロジェクトに専念するとして、ハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントの地位から退きました。マンスフィールド氏と同じような人事パターンが再び現れており、メガネ型デバイスの開発に携わるのではないか、と取り沙汰されています。

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