「厚切り豚焼肉定食」
松屋
650円
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/whatsnew/menu/30675.html
今 春が来て 豚は厚めになった
コンビニやスーパーなどで「おいしくなって新登場!」というパッケージを見るたびに、心の中で「ほんとうだろうな?」といちいちツッコミを入れるモーダル小嶋です。好きなウマ娘はスーパークリーク。ちなみに初めて好きになった競走馬はマヤノトップガンです。
さて、松屋は「厚切り豚肩ロース」を使用した各種メニューを2月23日から販売しています。
王道の「厚切り豚焼肉定食」(650円)、マヨネーズで味変もできる「厚切り豚生姜焼定食」(730円)のほか、たっぷりネギと特製タレが相性抜群とうたう「厚切りネギ塩豚焼肉丼」(580円)が新登場となります。
2月23日10時に販売終了した定番メニュー「豚肩ロースの豚焼肉定食」「豚肩ロースの生姜焼定食」「ネギたっぷりネギ塩豚肩ロース丼」 が、いずれも厚切り豚肩ロースを使用したメニューにリニューアルしたかたちといえますね。
新発売を記念して、「厚切り豚焼肉関連メニュー」を注文すると、3月9日10時までライス大盛が無料サービス。また、販売期間中、上記対象W定食はライス大盛・特盛が無料サービス、厚切りネギ塩豚焼肉丼ダブルはライス大盛無料サービスとなります。
ちなみに、これまで販売されていた豚肩ロースの豚焼肉定食は600円、豚肩ロースの生姜焼定食は660円、ネギたっぷりネギ塩豚肩ロース丼は500円だったので、豚焼肉系のグランドメニューが
豚焼肉定食 600円→650円
豚生姜焼定食 660円→730円
豚焼肉丼 500円→580円
という「値上げ」をされた……という見方もできます。もちろん、メニューとしてはかなり別物になっているので、価格改定であるとは単純に言い切れないのですが。
ちなみに、10年前の2011年、松屋には「豚焼肉定食」「豚生姜焼定食」がメニューに登場(復活)していましたが、いずれも580円でした。時代の流れといえば、それまでかもしれません。
振り返り:よくも悪くも肉の薄さが特徴だった
これまでの豚焼肉定食
というわけで、まず、2月23日に販売終了した豚肩ロースの豚焼肉定食(600円)を振り返りましょう。確認のために、本記事を執筆する1週間前に食べていました。
ちなみに注文したときは「さよならお肉増量キャンペーン」中だったので、写真の豚肉の量は通常の1.5倍となっています。
ジューシーで柔らかな豚肉を、松屋特製の「ポン酢タレ」「バーベキュータレ」「焼肉のタレ(甘口)」を選んで好みの味で楽しめる、というのがウリでした。
歯ごたえはほどよく、ボソボソしすぎてはいないものの、もうちょっとボリュームがあれば、と感じるところもありました。よくも悪くも、「豚ロースの焼肉、以上」という感じ。ハズレでもないし、特別なサムシングがあるわけでもないし……というか。
そういう点で、リニューアルのポイントが「厚切り」というのはわかりやすいですよね。厚みを増すとなれば、見た目にも理解しやすいはず。
厚切りになって食べごたえはよくなった
価格については人それぞれか
満を持して、厚切りの話になります。今回は一番ベーシック(だと思う)厚切り豚焼肉定食を注文しました。この厚切り豚シリーズ、「やわらかジューシーな厚切り豚でみんなの食卓が華やぐ」とうたっているんですって。大きく出たなあ。
実際、厚切りというのは嘘ではない。少なくとも、以前の松屋の豚ロース焼肉と比べれば、明らかに厚い。データイーストのゲームなら「アツイゼ アツイゼェー」ぐらいは言いそうです。
皿の大きさに比べて量が少ないのではないかと感じつつも、やはり厚さは正義。食べごたえはちゃんとありますね。細かい切れ目が入っており、それによって噛み切りやすくなっているのもポイント。
厚いだけでなく調理に一工夫あることで、ジューシーさが増しているように感じられますし、卓上のタレはもちろん、薬味のネギや大根おろしもなじみやすい。肉の食感がより楽しめるようになっている点は、素直に評価すべきでしょう。
もうすこし、焼肉の枚数が多ければ……と思わなくはないですが、少なくとも、一切れあたりの満足感に関しては、リニューアルの効果が出ていることが認められます。
さて、以前まで販売されていた豚肩ロースの豚焼肉定食が600円。厚切り豚焼肉定食が650円。50円の値上げではないのか、その価値はあるのか、という疑問は、多くの人が抱くものでしょう。
その問いに答えるのは簡単ではない。やはり、メニュー(というより、焼肉が)別物だからです。価格に比例しておいしくなっているのか……という意味ならば、自分としては「YES」と答えます。
ただ、メニューの選択肢として考えると、豚焼肉定食が50円、豚生姜焼定食が70円、豚焼肉丼が80円の値上げになった(という判断ができる)ことに関しては、それでいいのかなあ、と思うところもある。価格を上げた分だけおいしくなるとしても、どこまで上げていいものでしょう。牛丼・定食チェーンに高級感はいらない、安いに越したことはない、と考える人もいるでしょうし、その気持ちもわかります。
筆者の意見としても、「値段が上がった分だけおいしくはなっているが、値段を上げることそのものについてはよいとも悪いともいえない」という、なんとも玉虫色の回答しか出てきません。劇的な進化を遂げたわけではないので、「価格の変化なんて気にせずに松屋へGO!」と言うのも違う気がしている。
結局のところ、松屋に何を求めるかという、価値感の話になってしまうのかな、と。食べごたえがよくなったならOKです、と考える人なら注文しても後悔しないクオリティーではある。一方で「値上げじゃないかな……」と思う人に、何が何でも食べてほしい、と言いにくい気持ちもあります。
あとは、読者のみなさんに判断してほしい。「この先は君の目で確かめてくれ!」とKADOKAWAグループらしいメッセージで締めさせていただきます。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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