どうしたら行けるのだろう 教えてほしい:
炭水化物78gのあまあまエナドリ「ZONe Utopia」あなたをフルーティーな幻想郷へいざなう
2021年02月19日 17時00分更新
「ZONe Utopia Ver.1.0.0」
サントリーフーズ
2月16日発売
190円(税抜)
https://zone-energy.jp/
炭水化物が多すぎ〜!
エナジードリンクというものには、ある種のケミカル感、ドーピング感というものが必要なのかもしれません。ちょっと体に悪そう、科学的な成分が入ってそう……それぐらいのほうが、「飲んで気合を入れる」というモチベーションにつながる側面もありましょう。
だからでしょうか、「自然派」的なイメージのあるエナドリは、世に出ても意外と伸び悩むことがある。エナドリ界のツートップというべきレッドブルとモンスターエナジーだって、健康そうなイメージがあるかと言われれば……。
さて、国産エナドリで気を吐いているのが、サントリー「ZONe」シリーズ。今回紹介するのは、「ZONe Utopia Ver.1.0.0」(以下、ZONe Utopia)です。2月16日発売で価格は190円(税抜)。
ZONeシリーズは、「ゾーンとよばれる超没入状態に入るためのデジタルパフォーマンスエナジー。モニターと向き合うすべての人に、最高の没入とパフォーマンスを」とうたう国産のエナジードリンクです。
「デジタルパフォーマンスエナジー」というネーミングもなかなか奇異です。地下アイドルのキャッチコピーみたいだな。
e-Sports的な何かしらを志向したと思われるデザインが目を引きますが、500mlという容量もあってか、Amazon.co.jpや大学生協などで好評を博し(エナドリに需要がありそうなところというべきか)、赤い「ZONe FIREWALL Ver.1.0.0」、白い「ZONe DEEP DIVE Ver.1.0.0」なども登場しました。
さて、ZONe Utopiaです。ポイントは果汁入りであること。りんご、もも、オレンジ果汁を使用しており、なんと17%も入っています。
大したことがないように思えるかもしれませんが、無果汁が当たり前のエナドリ界で17%というのは相当に“がんばってる”数字です。料理を一切したことがない人がチャーハンと豚肉のしょうが焼きを作ったぐらいのがんばり。
サントリーのエナジードリンクといえば、炭水化物、糖類が多い傾向があります。たとえばZONe DEEP DIVE Ver.1.0.0は糖類65.5gという量でしたが、ZONe Utopiaはまさに幻想的、ここにきて炭水化物78.0g(糖類74.0g)という尋常ではない数字を出してきました。
たとえばコカ・コーラは100mlあたり炭水化物が11.3gなので、500mlなら56.5g。500mlの場合、ZONe Utopiaはコカ・コーラより20gも炭水化物が多いのです。この量が入っている清涼飲料水、ちょっと記憶にありません。
ちなみにカフェインは1本あたり75mgで、エナドリとしては「普通」といったところ。たとえば、250mlのレッドブルは、カフェイン含有量は80gです。
パラチノースが配合されているのもポイント。ゆっくりと分解される性質を持ち、血糖値が急激に上がらないため、インスリンの急な放出や、血糖値の急落を抑えられ、持続性のあるエネルギー供給ができるとされているため、長時間の作業やゲームプレイに向いています。
めちゃくちゃ甘いが、フルーティーではある
いろいろとぶっ飛んでいるZONe Utopia、何しろ「ユートピア」という名前ですから、ちょっと幻想的な味、あぶないテイストなのかと思いきや、もう少し穏やかな味です。
一言で言えば、果物の味がする炭酸ジュース、といった雰囲気。りんご、もも、オレンジのフレーバーも確かに感じられますね。
まあ、果汁100%のジュースと比べれば、うさんくさい風味ではあります。でも果汁17%なので、わりとフルーティーです。エナドリっぽくはなく、モンスターエナジー「モンスター パイプラインパンチ」に近いといえば近い。
この炭水化物の量なので、もうどうしようもなく甘いのですが、それが気にならなければ、飲みやすい果汁感のあるエナドリとして需要がありそうです。ユートピアという名前の通り、現実離れした甘さではあるものの、炭酸の爽快感があることでギリギリまとまっています。
果物を入れたさわやかさと、500mlの有無を言わさぬ大容量は、これはこれで得がたい個性だと感じます。改善すべきところはあるかもしれませんが、「頭の回転には糖分が大事! 喉の乾きをいやすには量が必要!」というコンセプトはわかりやすい。
自分は、ZONe Utopiaが目指した味に全面的に同意することはできません。しかし、このエナドリには、他の製品にも見習ってほしいと希望、というより見習ってくれればよいのにと願うような特徴が多く存在します。
トマス・モアの『ユートピア』第2巻の最後では、モアが架空の島「ユートピア」の話を終えた旅人のラファエル・ヒュトロダエウスに向かい、「この問題についてもっと深く考え、一緒にもっとくわしく話し合う時がまたあるでしょうね」と話すシーンがあります。
ZONe Utopiaについても、同じことが言えるでしょう。フルーティーとはいえ、糖分がいっぱいのエナドリは、ほんとうに理想郷なのでしょうか? 元気がほしいときであっても、こんな飲料をごくごく飲んで平気なのでしょうか? この問題についてもっと深く考え、一緒にもっとくわしく話し合う時がまたあるでしょうね……。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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