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JAWS DAYSで記者としての人生が変わった話

2021年03月01日 11時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2021年3月20日に行なわれるJAWS DAYS 2021に先立って掲載されている「JAWS DAYSと、私」というリレーブログ企画に参加すべく、私もJAWS DAYSやJAWS-UGとの関係について書き起こしてみることにしました。2014年、初めてJAWS DAYSに参加して以降、なぜ私がクラウドコミュニティに出入りするようになったのか、どんなものを見て、なにを得てきたのか。クラウドコミュニティに興味を持っている人に伝わるとうれしいです。

懐かしのJAWS DAYS 2014

JAWS DAYS 2014を取材するまで

 JAWS-UGというクラウドコミュニティに記者として関わりだしたのは、2014年春のこと。実行委員だった吉田真吾さん得上竜一さんから「『JAWS DAYS』というイベントやるので、アスキーでなんか記事書いてもらえませんか?」と依頼を受けたことがきっかけでした。

 当時、紙媒体から移ってきたばかりの私はASCII.jpでITカテゴリを作るのに精一杯で、クラウドについてもホスティングに毛が生えたもの程度にしか考えていませんでした。多少知識があったのもニフティクラウドやIIJ、NTTコミュニケーションズなど国産クラウドで、AWSは完全に埒外。とはいえ、東京リージョンの開設とともに、AWSは日本法人でも本格的な広報活動が始められており、2012年にはDynamoDBやElasticBeanstalkなどの発表会に参加していました。現ソラコムの玉川憲さんや得上さん、クラスメソッドの横田聡さんと初めて会ったのも、この発表会なはずです。

 取材にも伺って仲良くなった得上さんからは、JAWS DAYSの前年、京セラドームで開催された「JAWS FESTA」の取材も提案されていました。でも、そのときは「さすがに大阪だから」という理由で断っていたんですよね。今となってはもちろん後悔していますが(笑)。

 そんな経緯もあり、今度のJAWS DAYS 2014に関しては、ちょっと前向きにやってみるかということで、カメラマンをつけてきっちりした取材記事を書くことにしました。「単なる告知じゃつまらないから、ちゃんとインタビューします。JAWS DAYSのどこが面白いのか、取材で教えてください」とお願いし、結果できた記事が「人生変えに来い!ハイテンションな「JAWS DAYS 2014」の見所」です。

 JAWS DAYS 2013から大阪のJAWS FESTA、そしてJAWS DAYS 2014までの経緯、そしてイベントの見所やチャレンジまで彼らが語っています。「風俗行ったら人生変わった」という本からこの「人生変わった」というフレーズをタイトルに持ってきたのだけど、吉田真吾(ごめん、昭和世代の私はこういう呼び捨ての方がしっくりくる)は当時からこのイベントがエンジニアにとって人生を変えるくらいのインパクトを持っているものだと本気で思っていたんですよね。得上竜一も「途中から、参加者なのか、主催者なのか、わからなくなった(笑)。」というイベントの本質をすでに見抜いています。なにが言いたいかというと、JAWS DAYSの本質というか、根っこにある思想は当時から全然変わらないんだなという感慨です。

 そして、初めて行ったJAWS DAYS 2014。西新宿のベルサールでイベントが終わり、懇親会にも行かず、池袋のスターバックスでその日のうちに書き上げた記事が「1000人規模の大勉強会「JAWS DAYS 2014」の納得と驚き」という記事です。

 冒頭のImmutable Infrastractureからしてまったくわけわからなかったんだけど、恐ろしいほどの熱気とパワーに当てられて書かされた感想文。これが私のJAWS DAYS 2014体験記でした。一応、IT系の記者なんだし、なんか書くつもりで行ったんだけど、まったく書けなかった結果、ようやく絞り出せたのがこれなんです。

「コミュニティを通してクラウドを見る」という視点

 このJAWS DAYS 2014を契機に、私は「コミュニティを通してクラウドを見る」という方向性を模索し始めます。今まで情シスや非専任管理者向けにしかIT媒体を作ったことなかった私にとって、エンジニアやプログラマーなどがクラウドに対してどのようなインパクトを感じていたのかまったくわかりませんでした。だったら差別化するためにも、コミュニティの立場からクラウドを眺めてみようと思いました。

 まずは吉田真吾から紹介を受け、SAMURAIたちへのインタビューをスタート。インタビュー相手から別のインタビュー相手を紹介されるというわらしべ長者状態で、地方支部の人たちも含めて、AWSやJAWS-UGに出会って人生変わった人たちに直接話を聞くことができました。記事を書くことは、自分にとってはコミュニケーションの手段であると常日頃から考えているのですが、ここでの人脈が私の今のクラウド人脈の基盤となっています(関連記事:日本のITを変える「AWS侍」に聞く)。

 そして、2014年末には飯田橋にJAWS-UGをはじめとしたクラウド界隈の人たちを雑に集めて、re:Inventの話を聞くという「飯田橋クラウド倶楽部(略称:イイクラ)」という連載を始めます。お酒を飲みながらのトークなので、かなりラフというのもありますが(笑)、エンジニアの関心事とサービスに対する多角的な視点がものすごく新鮮で、どれだけ記事を書くのに役立ったかわかりません。技術知識というより、エンジニアやITビジネスに関わっている人の嗜好や業界の土地勘を得られると言えばよいでしょうか? 記事になっていないですが、JAWS-UGの懇親会ではこうした話をいっぱい聞くことができます。

 その後、ASCII自体にJAWS-UG専門のサイトを立ち上げ、JAWS DAYSやFESTAへの取材やスポンサーという形での貢献も実現できるようになりました。

 アラフィフの私はすでに「ベテラン」と呼ばれる立場ではありますが、JAWS-UGというクラウドコミュニティに関わることで、新しい知識や新鮮な感性を得ることができ、記者として、人として、ステップアップできたという実感があります。その意味ではリレーブログのタイトル通り、「人生変わった」といって過言ではないと思います。

JAWS-UGで得られたメリットとは?

 こうして約7年近くJAWS-UGに関わっていますが、記者として、個人として、さまざまなメリットがありました。まとめてお伝えします。

・多種多様で良質な人脈が拡がる
なんといっても人脈が拡がります。JAWS-UGは、エンジニアやIT部門の人だけではなく、WebサービスやEC系の人、スタートアップ界隈、エンタープライズのわりとえらい人まで、出入りしている人たちが多様性に富んでいます。しかもビジネスの関係だけではない、良質な人とのつながりです。

コミュニティメンバーとして一体感を持って、SNS等でいろいろな人とつながり、情報や感情のやりとりをしたことで、このコロナ禍でどれだけ救われたでしょう。現在の私はIT・クラウド関連のみならず、働き方改革や地方創生、スタートアップなどさまざまな範囲をカバーしているので、登壇や取材の依頼をすることも増えており、かけがえのない人脈になっています。

・地方に行ける 海外にも行ける
JAWS-UGは全国に支部がありますので、首都圏のみならず、地方にも友達ができます。そして地方のJAWS-UGに行くと、地方の友人がさらに増えます。以前、JAWS DAYS 2016の基調講演で実行委員長の金春利幸さんが言っていましたが、大人になって全国に友達を作る機会なんてそんなにありません。でも、JAWS-UGではけっこう簡単に実現できます。

地方で行なわれるJAWS-FESTAに参加したことで、大阪、福岡、札幌などでも新しい出会いがありました。過去、大分の勉強会から熊本の勉強にはしごしたこともありましたし、韓国のAWSコミュニティのイベントに参加すべく、JAWSのメンバーとソウルに行ったこともありました(関連記事:JAWS-UG、海を渡る!韓国のAWSKRUGと勉強会を共催)。現地のメンバーと分厚いサムギョプを食べた後、みんなと歩き回った深夜のソウルの思い出を、私は墓まで大切に持ち歩くでしょう。単純に人脈が拡がるだけではなく、ともに成長し、体験する仲間に出会えるのです。

JAWS-UGの取材で韓国にまで行ってきました

・登壇の機会が増える
コミュニティの中にいる記者という立場で登壇の機会が増えました。単独で登壇することもありますが、モデレーターという立場で座談会を仕切ることも多かったです。登壇の機会が増えると、他のコミュニティやイベントでも登壇が増えます。もちろん、アウトプットすることで、得るものが多いのは自分です。

・知見が拡がる 見方が拡がる
JAWS-UGはAWSのコミュニティではあるのですが、技術の話ばかりをしているわけではありません。X-Tech JAWSのように業界動向やビジネス観点を取り入れた支部もありますし、E-JAWSのようにエンプラIT部門のお悩み相談支部(?)みたいなところもあるので、さまざまな業界知識や課題も得られます。百戦錬磨の物腰柔らかなCIOたちから経営やビジネスについて学ぶこともできますし、見た目的に治安の悪そうなエンジニアからアングラな話を聞くこともできます。カメラ、バイク、アイドル、ゲーム、サウナなど特定領域に異常に詳しい方々も多いので、趣味の話もディープ。雑談も楽しいコミュニティです。

・記事ネタが持ち込まれる
記者という職種として、一番美味しいのがこちらです。コミュニティメンバーとしてつながりができており、過去にさまざまな記事を書いてきた実績もありますので、特ダネがメッセンジャー経由でふらっと持ち込まれます。「えっ?私がそれ取材していいんですか?」みたいな。もちろん、私の作業負荷や媒体特性上、載せられないこともありますし、個人としても、あまり特ダネを意識しているわけではないですが、読者が喜ぶ記事を作れるのはうれしいことです。
 

 さて、オオタニのこれまでのJAWS-UG体験をまとめてみました。過去、登壇などでアウトプットしていることも多いのですが、JAWS DAYS 2014参加の経緯を書いたのは初めてなので、自分にとっても新鮮でした。もちろん、自分でいろいろ切り開いてきた部分もあるのですが、JAWS-UGの取材活動をきちんと認め、サポートしてくれた会社、上司、同僚にはいつも感謝しています。

 最近は取材活動が停滞していたのも事実ですが、「re:Connect」を謳うJAWS DAYS 2021を契機にまたJAWS-UGに主体的に関わっていけたらと思います。3月20日のJAWS DAYS 2021では、「『JAWS DAYSで人生変わった』は本当か? - 今日参加したキミが次は登壇したくなるパネル -」というパネルに参加しますので、ぜひご視聴ください。みんなでre:Connectしましょう。

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