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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第129回

アップル「M1 Mac」2021年以降の展開と、足下に忍び寄る問題について

2021年01月19日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●2020年第4四半期もブースト

 売れ行きはどうだったのか。調査会社のIDC、ガートナーの2社は、2020年第4四半期のPC出荷台数のデータを公開しています。IDCによると、世界のPC市場の出荷台数は9159万台で、26.1%の成長となりました。PC市場がここに来て大きく成長しているのは、先述の通り、オンライン授業やリモートワークへの対応で、PCの台数が家庭で必要になったこと、また買い替え需要を喚起したことが挙げられます。

 最も販売台数が多かったのは2312万台を出荷したレノボで、HP、デルと続き、アップルは第4位。約735万台の出荷台数で、前年同期比で49.2%と、上位5メーカーの中で最も高い成長率を記録しました。ガートナーの集計では、アップルは約689万台を出荷し、成長率は31.3%。いずれの調査でも、シェアは8%台に乗せる結果となりました。

 PC市場の高成長について、IDCのライアン・リース(Ryan Reith)副社長は、COVID-19のパンデミックがPC市場の需要を喚起しているだけでなく、新しい市場の可能性を創出した結果だと指摘しています。

 M1 MacはそもそもCOVID-19と関係なく計画されてきた製品だと考えるべきですが、高性能と低消費電力の両立を新しいレベルで実現したことによって、リース氏が指摘する新しい可能性、つまりモバイルクリエイティブプロの新しいニーズをつかんだと評価できます。

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