格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第168回
ドコモ「ahamo」の月20GB+月2980円は高い?安い? 続々登場する新プランを前に冷静に判断が必要
2020年12月27日 12時00分更新
「月20GBで月2980円」というのが、1つの基準になりそうな今後の携帯料金。これまでの相場から考えると、非常に安価な金額ではあるものの、我々の負担が減るかどうかはまた別問題。そこで最近話題になっているプランについて、本当にオトクなのか、メリットがあるかどうかをしっかり考えていきたい(料金はすべて税抜)。
月20GB以上を使う人は全体の10%という政府からの指摘
まず、最初に認識しておかなければならないのは、月20GBという通信量を必要としている人は必ずしも多くないと言うこと。消費者庁は「自分に合った携帯料金プランになっていますか?」という文章において(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/information_003/index.html)、実際に月20GB以上のデータ通信を使う人は10%程度という数字を示して注意喚起をしている。また、総務省の「携帯電話ポータルサイト(暫定版)」(https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/keitai_denwa_portal/index.html)においても、同様に冒頭に記載されている。
もちろん、月20GBでしかも割安なプランが出てきたことで、これまでデータ通信をあまり使わないようにしてきた人も利用スタイルが変化することが考えられる。たとえば自宅に固定のネット回線が無くて、スマホでも通信料を節約してきた人の場合、少し余裕をもって動画を見ることもできるようになるので、新プランの恩恵は大きいだろう。
一方で、自宅に固定回線があるのであれば、外出先での使い方が大きく変わらないかぎり、通信量が増えることはないはずだ。もし月間の通信量が3GB以下で、電話も発信しないのなら、MVNOの格安SIMなら月2000円以下、回線が高速なUQ mobileでも2000円を少し超える程度で収まってしまう。
余裕が生まれることで新たな使い方も可能になるため、今は月20GBも使っていない人がahamoやSoftBank on LINEを契約することは決して悪いことではないと思う。ただ、通信量が少ないユーザーがahamoやSoftBank on LINEに乗り換えて、使い方もそのままだと、まだ無駄があることに違いはない。また、1プランしかなく、通信量が少ない人も月20GBのプランを契約しなければならず、結果的に高めの料金を払ってしまう人が出て、サービス提供側の収支が合うと考えることもできるだろう。
Y!mobileは新料金よりも今申し込んだほうがおトクそう!?
続いてはY!mobileの価格改定について。Y!mobileは2021年2月に新プランに移行する。真ん中の「シンプルM」は月10GBで月2980円と、SoftBank on LINEに比べると割高感があるため、それよりも安価な月3GBで月1980円という「シンプルS」が注目されている。通信量が少ない人が、ahamoやSoftBank on LINEよりも低料金で使えそうと期待しているのだ。しかも、複数回線契約による割引もある(2回線目以降)。
しかし、この新しいプランはよく見ると、現在のUQ mobileのプランに近い。これまでY!mobileに含まれていた1回10分までの通話定額を、月700円のオプションとして分離(かけ放題は月1700円)。金額自体も現在のUQ mobileのプランと同じだ。
つまり、Y!mobileの今回の改定はUQ mobileに合わせただけとも言える。しかも従来は用意されていた、加入から6ヵ月間の月700円引きという特典は無くなって、さらに加入から1年は無料だった通信量が増量オプションも消滅している。
具体的には以下のようなことになる。
月3GBのプランで通話定額を追加した場合の金額は通常料金では従来と同じ。しかし最初の6ヵ月の割引が無くなった分だけ支払い額は増えている。通話定額が要らない人はともかく、必要としている人にとっては新プランのメリットはない。
もっとも、ソフトバンク自身も今回のY!mobileの新料金を「値下げ」とは表現しておらず、あくまで「月額料金がずっと変わらない」としか言っていない。「月額料金がずっと変わらない」と強調している以上、今後も同種のキャンペーンはもうやらないと想像できる。そのため安さを求めてY!mobileに契約するなら、現行プランの方がオトクとなる。もし通話定額が必要ないのなら、最初の6ヵ月の割引がある間に新プランに変更すればいい。
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