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NETGEAR製品導入事例

10Gネットワークの冗長構成にはコストパフォーマンスの高い10Gスイッチが必須

三重大学、基幹事務システムの10ギガNW拡張にネットギア「M4300」導入

2020年12月18日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ネットギア

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サーバー~ラックスイッチ~基幹スイッチ間を冗長化、単一障害点を排除

 コアスイッチをM4300にリプレースし、10Gネットワーク範囲を拡張した新しいネットワークの概要図は次のとおりだ。

三重大学 事務局 IT基盤のネットワーク概要図(リプレース後)。基幹スイッチであるM4300×2台、ラックスイッチXS728T×3台、そして基幹システム(仮想基盤)を収容する3台の物理サーバー間は、10GBASE-T接続を冗長化している

 まず基幹スイッチとなるM4300(2台、Aラック)の配下に、各ラックスイッチがUTPケーブルやDACケーブル(ダイレクト接続ケーブル)で10G接続されている。ここが今回リプレースの対象となった部分だ。

 前述した基幹システムの仮想基盤(物理サーバー3台)を収容するCラックには、フル10Gスイッチの「XS728T」が3台設置されている。耐障害性を高めるため、これらのスイッチは2台あるM4300の両方に接続されている。さらに、それぞれの物理サーバーも2台のXS728Tに接続しており、M4300とXS728Tのどのスイッチがダウンしても、通信経路を維持できる仕組みだ。

 「基幹部分でどのスイッチがダウンしても影響が出ないように、機器納入後には実際に丸1日をかけて、スイッチを1台ずつダウンさせるテストを行いました。どのスイッチがダウンしてもきちんと動作することを確認したうえでリリースしています」(諏訪氏)

 なおCラックにあるS3300-52Xは、サーバーの管理専用ポートやUPS管理ポートを収容するスイッチだ。上記の基幹部分とは異なり、ここはダウンしても業務への影響が少ないため1G接続(アップリンクは10G)とし、冗長化も省くことでコスト削減を図った。ほかのラックでも、XSシリーズとS3300を要件に応じて使い分けている。

サーバー/ストレージラックの背面側にラックスイッチ(XS728T×3台とS3300-52X)を設置。M4300とXS728T、XS728Tとサーバーの接続はそれぞれ冗長化している

 今回のネットワークでは、タグVLANなどレイヤー2の機能要件しかなく、スタティックルーティングのようなレイヤー3スイッチの機能は使っていないという。ここにあえてレイヤー3スイッチのM4300を採用した理由について、諏訪氏は「レイテンシの低さ」と「信頼性」を重視した結果だと語る。性能に余裕のあるスイッチを採用することで、より安定した稼働が期待できるという考えだ。

「納期の確実さ」も重要なポイント、ネットギアの柔軟なサポートが助けに

 M4300の設定などを行ううえでは、ネットギアからの技術サポートも助けになったという。たとえば、M4300のスタック化についてネットギアからマニュアルの提供を受けたほか、設定内容についても細かなアドバイスをもらったという。

 「M4300とXS728Tを接続する際に、サポートの方から事前に『ここの設定に気をつけてください』と親切に教えてもらいました。双方の製品でデフォルト設定が違う部分があるんです。これは助かりましたね」(諏訪氏)

 もうひとつ今回は、製品調達における「納期の確実さ」もポイントになったという。その背景について、三重大学の牧野氏は次のように説明する。

 「(国立大学は)公的機関なので、年度の予算がついたものは年度内に納品してもらわないといけない。年度が替わってから納品されると非常に困るので、納期を守ってもらえるかどうかはわれわれにとって大きな問題です」(牧野氏)

 ニッセイコムの諏訪氏も、この点はよく理解していた。そこで今回は、導入したいスイッチの国内在庫があるか、納期はいつごろになるかといったことを、ネットギアの営業に直接問い合わせて、あらかじめ確認をとったという。購入は販売代理店経由となるが、問い合わせには柔軟に対応するのがネットギアのスタンスだ。

 「通常ならば、メーカーの人は代理店の“向こう側”にいるので直接のパイプを持てることはありません。また、直接問い合わせても『代理店に聞いてくれ』となることがほとんどでしょう。ただ、今回はネットギアの平井さん(営業担当)とパイプがあったので、事前に在庫を確認することができて助かりました」(諏訪氏)

 諏訪氏は、ネットギアにはそのほかにもいろいろストレートに質問や相談ができ、「価格面でも少し“協力”をお願いしました」と笑う。

* * *

 三重大学の牧野氏は、今回は予算的な制約もあるなかで、ネットワークの冗長化構成が取れたことを評価していると語る。万が一に備える、いわば“保険”である冗長化構成は、予算が厳しいケースでは削られる対象となることも多い。コストパフォーマンスの高いM4300があったからこそ、コストを抑えつつその“理想”を実現できたと言えるだろう。

 情報基盤室としては今後、BCP対策のさらなる強化やPCのWindows 10への統一とバージョンアップの一元管理、そして将来的には基幹ネットワークのさらなる帯域幅拡大といったことを考えているという。いずれにせよ、ネットワークの信頼性に対する重要度が今後も増していくことは間違いない。ネットギアが支援できることも増えていくだろう。

 「10G化したばかりですが、次の40G、あるいは100Gといったことも考え始めないといけないでしょうね。これからもデータ量は増え続けますから」(牧野氏)

(提供:ネットギア)

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