キワモノ? 実用的?
キヤノンが放つ望遠専用カメラの実力は?
もはやコンパクトデジカメは新製品すら出なくなりつつある中、キヤノンがヘンなカメラを出したのである。望遠専用超コンパクトカメラ。いや、カメラというよりは写真も撮れるデジタル単眼鏡。「Powershot Zoom」である。もっとインパクトのある名前にしてもよかったんじゃね、というくらい妙なカメラなのだ。
何しろこんな見た目である。ポケットに入るサイズでモニターはなし。しかも、望遠専用。
正直なところ、画質はあまり良くない、というか低価格なコンパクトカメラレベル。でも小さくて望遠専用で、モニターはないけどスマートフォンと接続できて……。逆にスマートフォンは広角には強いけど望遠にはあまり強くないわけで、スマートフォンを補完できると思うと面白い存在。
スポーツとか野鳥とかトレッキングの友にっていう野心的なプロダクトなんだけど、わたしとしては遠くの猫を撮りたい、でもスマートフォンしかないってときにパッとポケットから出せたりしたら楽しいのではないかと思ったのだ。あと、遠くに見えるアノ物体、猫だろうかそうじゃないのだろうかって時に確かめられるのもいい。ええ、時々遠くに落ちてるタオルとかゴミの入ったレジ袋が猫に見えることあるのですよ。
使うときはこんな感じ。片手で持てるサイズなので、ぎゅわっと握って接眼部を覗く。ここがEVFになっているのであとは覗いてPHOTOボタンを押せばいい。
望遠専用と言っても一応ズームはついてる。そのままだと100mm相当。
ボタンを1回押すと400mm相当になる。
なのでこっちを警戒して睨んでる猫を遠くからこそっと撮ったり(冒頭写真)、民家の軒先にいて近寄って覗き込むわけにはいかない時でも、しれっと撮ったりできるのだ。
ガチで撮るならそりゃあデジタル一眼を持っていくべきなのだけど、左のポケットにスマートフォン、右のポケットにPowershot Zoomを入れておけば、いざという時に助かったりしそうな面白いカメラなのである。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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