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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第257回

米軍車両ハンヴィー、3つ目の不具合はブーツの劣化

2020年12月13日 17時00分更新

文● むきみ(@TK6506) 編集● ASCII

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ゴム製部品は定期的に交換する必要があります

 Twitterのアカウント名を変えたので、ペンネームもそれに合わせて変えました。まぁ名前なんて記号なので、どうでもいいっちゃどうでもいいんですけどね。

 さて、リアデフとトランスファーからチョロっとオイルが漏れていたウチのハンヴィー。原因はオイルシールの劣化でした。

 デフもトランスファーも回転するシャフトが差し込まれていますが、ただ差し込んだだけでは中のオイルが隙間からダダ漏れてしまいます。それを防ぐのがオイルシール。ゴムでできたリング状の部品で、シャフトとの隙間を埋めて装置を密封し、オイルを食い止めると同時にホコリや水などの侵入から内部を守ってくれます。

 このオイルシールは高速で回転するシャフトにピタッと押し当てられているため、摩擦によって磨耗するし、細かいチリが入り込んだりすればそのぶん進行が早まってしまいます。ゴム自身も徐々に弾力を失っていくため、一定の時間が経ったら交換になるのは仕方ありません。消耗部品っていうやつですね。

ラジアスロッドのブーツが破れていました

 ゴム部品の寿命が尽きて発生する不具合は、オイル漏れにとどまりません。クッション材として使われている場合、ゴムが潰れたり切れたりすることで、ガタツキが出たり異音がしたりということが起こります。また、接続部のカバーとして使われている場合は、破れて中のグリスが流れ出てしまうこともあります。

 ウチのハンヴィーもまさにそれ。右リアのラジアスロッドの接続部を保護しているゴムブーツが破れて、すっかり潰れていたのです。

訂正とお詫び:掲載当初、劣化のあった部分を「ゴムブッシュ」としていましたが、正しくは「ブーツ」でした。訂正し、お詫びいたします。(12月16日 13:00)

潰れてペッタンコになり、グリスがはみ出してしまったブーツ。右奥に向かって伸びている棒がラジアスロッドです

 ラジアスロッドは、タイヤが左右にフラつくのを防ぐためのロッドです。

 ハンヴィーのサスペンションはダブルウィッシュボーンと呼ばれる形式で、ハーフシャフトが通っているナックルという部分を、上下のアームで挟んで固定しています。親指と人差し指でサイコロを上下から掴んでるみたいな感じですかね。サイコロには軸が刺さっていて、指がアームでサイコロがナックルで。

右後輪を前から見たところ。各部はこんな感じに繋がっています

 このウィッシュボーンっていうのは鳥の鎖骨のことなんですけど、なんでここに鳥の骨なんていう物が出てくるのかというと、アームの形がそれに似ているためです。ヒトの鎖骨は左右に分かれて胸骨と肩甲骨を繋いでいますが、鳥の鎖骨は真ん中でくっついてV字型になっています。アームも上から見るとV字型をしていて、上下2つあるためダブルウィッシュボーンというわけです。

直進安定性が下がるので新品に交換

 指でつまんだサイコロが割と簡単に回ってしまうのと同じように、ただ上下から挟んでいるだけだと、ナックルが左右にグリグリと回ってしまいかねません。

 ナックルにはハーフシャフトが差し込まれているので実際は回転するほどではありませんが、それでもそのままではタイヤが左右に首を振ることになります。そうすると直進安定性が下がってしまうので、それを防ぐためラジアスロッドで固定しているのです。

 ブーツが破れてグリスが流れ出ているということは、いずれ接続部がスムーズに動かなくなったり、異常な摩耗を引き起こしたりする可能性があるわけで、これもオイル漏れと同様に放置するわけにはいきません。

ブーツ交換後。1個ダメになったということはほかのブーツもアヤシイので、時々チェックしようと思います。

 というわけでこのブーツもすっかり新品になりました。それほど劣化が激しい部分ではないので、当分は交換の必要はないと思います。

致命的な不具合はありませんでした

 ところで、普通のクルマはホイールを回転させるハーフシャフトがホイールの中央にまっすぐ繋がっていますが、ハンヴィーはシャフトが上にズレています。

ホイールの真ん中にはシャフトがなく、上の方にずれて配置されています

 これはハブリダクションといって、シャフトとデフを持ち上げることで最低地上高を稼いでいます。ホイールを取り付けるスピンドルとハーフシャフトはギアでつながっていて、その比率は1.92:1。ハーフシャフトを持ち上げると同時にここで回転数を落とすことで、さらにトルクを稼いでいるのです。

 以前、このハブリダクションのシールが劣化してオイルが漏れてしまったり、ハーフシャフトのブーツが破れて中のグリスが飛び散ったりしたことがありましたが、今回はこの部分に不具合はなし。あとはオイル交換と各部のグリスアップで完了です。

 結局、劣化したゴム部品の交換はあったものの、大きな不具合はみつかりませんでした。この1年は故障で駆け込むこともなかったので上出来です。購入して6年が経ちようやく状態が安定してきた気がします。

ついでにモディファイ

 さて車検整備はこれでおしまいですが、話はもう少し続きます。といってもここからは修理ではありません。車検のついでにモディファイをお願いしてあったのです。

 ひとつはタイヤ。購入前から使われていたタイヤで、去年の今ごろ、少なくとも5年2.5万km以上は一度も交換されていないから、来年は交換したいと思ってたんですよね。

 それからカーゴハッチ横のアンテナベースと、床のハーネス固定用リトラクターの取り付け。アンテナベースは、地図上に敵味方のマークを表示するBlue Force Trackerという機器のアンテナを固定するためのブラケット。ハーネス固定用リトラクターは、万が一車体が横転した時にガンナー席に立つ人が飛び出してしまわないように、身体に付けたハーネスを車体に固定するための装置です。いずれもずいぶん前に買ってあったんですが、取り付ける機会がなかなかなくて、ここまで引っ張ってしまいました。

 次回はそれらの紹介をしたいと思います。

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