グーグルがメディアストリーミング端末「Chromecast with Google TV」を発売する。テレビやモニター、プロジェクターなど映像機器のHDMI端子に接続して、Wi-Fi経由で動画に音楽などアプリを媒介にしながら様々なコンテンツが楽しめる。グーグルのオーディオ・ビジュアル系スマートデバイスをレポートしよう。
ホーム画面と専用リモコンを揃えて大幅リニューアルを遂げたChromecast
Chromecastシリーズは、2014年に日本上陸を果たしたグーグルのスマートデバイスだ。ChromecastはWi-Fiネットワークに接続してから、テレビなどHDMI端子を持つ映像機器につなぐ。続いて、同じネットワーク上にあるスマホやタブレットから無線接続によりChromecastへコンテンツをキャストすると、テレビの大きな画面で楽しめる。発売当時はテレビやプロジェクターを手軽に「スマート化」できるデバイスとして注目された。初代機は発売時の販売価格が4200円(税別)とすごく安価だったことから、当時筆者のまわりにはこれに飛び付いた人も多くいた。
Chromecastは基幹ソフトウェアに、グーグルのテレビ向けOSであるAndroid TVを採用している。現在はWi-Fi機能とAndroid TVを内蔵するテレビが増えたので、Chromecastがなくても、そしてスマホからキャストしなくてもテレビ単体でアプリをインストールして動画・音楽配信にゲームなどが楽しめる環境が整った。筆者宅のテレビは、数年前にソニーのブラビアがAndroid TVを搭載しはじめた頃に買った、4K/HDR対応のスマートテレビだ。
グーグルのAndroid TVを採用していなくても、いま日本国内で買えるテレビメーカー各社のスマートテレビの多くがYouTubeやNetflixなど動画配信を見たり、音楽配信を受けてテレビのスピーカーで聴くことができる。もはやChromecastというデバイスの果たすべき役割は達成したものと思っていたら、今年グーグルが4K/HDR対応の新しいChromecastを発売するという知らせを受けて筆者は面食らった。
さらにそのChromecastには「Google TV」という、デバイスのユーザーとコンテンツの出会いをさらに促進するための新しい“ホーム画面”が搭載されるという。そしてスマホやタブレットなどモバイル端末からキャストしなくても、Googleアシスタントの音声検索も含めてChromecastの本体が操作できる専用リモコンも用意された。
映像は4K/60p/HDR、音声はドルビーアトモスを含むサラウンドフォーマットに対応する。デザインは1つ前の世代のChromecastから大きく変わってポップな印象になった。カラバリは3色(ホワイト系、ピンク系、ブルー系)を揃える。本体はテレビの背面にあるHDMI端子に接続して、ぶら下げながら使えるように55gと軽量・コンパクトにした。
以上が2020年11月25日に7600円(税込)でグーグルが発売するChromecast with Google TVの概略だ。
Android TV内蔵の機種を含めて、スマートテレビが広く普及しつつある今、Chromecast with Google TVはどんなユーザーに役立つデバイスになるのだろうか。