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〈後編〉ITジャーナリスト高橋暁子とマカフィー執行役員青木大知が語る

大人が知らない子どものお小遣い稼ぎ&誹謗中傷の実際

2020年11月16日 11時00分更新

文● せきゅラボ

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ニューノーマル時代のオンラインとの付き合い方

── 最後に。小中校生を中心として、今後「ニューノーマル」の生活において、スマホを使うにあたって特に注意しなければならない事柄はなんでしょう?

高橋 スマホによってオンラインに接することが圧倒的に増えたので、ゲーム依存やネット依存の傾向が強まっています。利用時間も増えて生活が昼夜逆転している話もよく耳にします。そして未だに、昼夜逆転がコロナ休校の頃から戻っていない子も多いようです。

 普段はスポーツ少年だった子どもが、臨時休校中に部活ができなくなって夜中に友達とオンラインゲームをずっとしている、という親御さんの嘆きも聞きました。しかし友達と交流できるのはゲームの中だけなので止められないジレンマもあったと。

 コロナ禍の自粛生活の中で、子どもたちが孤独に陥らないために、交流の場としてSNSやオンラインゲームが機能したのは確かですが、そちらに傾倒してしまって子ども自身でコントロールできずに依存傾向が強まってしまったことはとても心配しています。「いい感じの付き合い方」をできるように、保護者の方は子どもたちのことを見てあげていただけたらいいなと思います。

 一方、学生の皆さんにとっては今後もスマホを手放せないことは間違いないでしょうから、依存しすぎずにネットやゲームと上手く付き合っていく方法を大人の意見として提案したいですし、学生自身にも模索してもらいたいです。そういったことがニューノーマルでは大きなテーマになると思っています。

青木 スマホに限らず、子どもがオンラインの画面を見ている時間は、パンデミック後に50~60%増えています。極端な例だと、12歳以下でも1日5時間画面と向かい合っているというデータもあります。親御さんからはどうしたら時間制限できるか、といった相談を受けることもあり、セキュリティ対策ソフトで時間管理する方法を説明したり、ペアレンタルコントロールで管理可能という話もしています。

 今、コロナと付き合っていく時代で気にしているのは、詐欺サイトの増加ですね。学生が気軽に詐欺の片棒を担ぐという話もありましたが、ネット上のデマをデマと思わずに拡散したことで、第三者を詐欺サイトに誘導してしまったりすることもあると思います。

 また、そういう何気ない行為が、マスクをはじめとする「転売屋」に協力することにもなりかねません。また、未だに買いにくいニンテンドーSwitchなどの転売状況を知ってしまうと、「転売屋は儲かる」というイメージで手を染める可能性も少なくないでしょう。詐欺行為にしても転売屋にしても、オンラインでできる不正なお金儲けの手段ですので、スマホ・パソコン関係なく、我々としても注意喚起していかないといけないと思いますし、保護者の皆さんも再度認識してほしいですね。

―― ありがとうございました。

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