miniも登場！ iPhone 12、ASCII徹底大特集 第22回

「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」レビュー：

アップル「iPhone 12」デザインとカメラに驚きの連続

●iPhone 12 Pro、3つの優位性

　6.1インチサイズが思ったよりもコンパクトだ、ということがわかった時点で、次は「iPhone 12かiPhone 12 Proか」という話になります。なおApple StoreでSIMフリー128GBモデルを比較すると価格にして1万6000円の差になります。iPhone 12 Proは128GBから、iPhone 12は64GBからのラインアップになっているためです。

　ここで、iPhone 12 Proの優位性は、 「ディスプレー」「カメラ」「A14 Bionic」の3点。

　まずディスプレーについては、同じ有機ELディスプレーを搭載していますが、iPhone 12は最大輝度625ニト、Proは800ニトで、明るさが異なります。HDR写真・ビデオ再生時は最大輝度1200ニト、コントラスト比200万:1で違いはありませんが、晴れた屋外で使うときはiPhone 12 Proの方が見やすい結果となりました。

　加えて、カメラです。超広角、広角カメラは共通で、特に広角カメラはf1.6と明るくなったレンズが暗所性能を高めてくれます。これはiPhone 12シリーズ共通です。iPhone 12 Proには54mm/f2.0の望遠レンズが加わります。iPhone 12 Pro Maxの望遠レンズは65mm/f2.2なので、iPhone 12 Proの方が明るさは上。さらにARの空間把握や暗所のオートフォーカスをアシストするLiDARスキャナが搭載されます。

　普通のスマホなら、望遠レンズでキレイにズームができてデジタルズームもよりキレイになるだけかもしれません。しかしアップルは複数カメラのiPhoneを「カメラシステム」と呼び、選択していないカメラも常に稼働させ、色や光の情報を集め、機械学習処理に生かしています。

　つまり、カメラの数が増えればそれだけコンピュテーショナルフォトグラフィーの精度が上がることを意味しており、それがiPhone 12 Proシリーズの優位性となります。

　最後はA14 Bionic。iPhone 12は4GBメモリですが、iPhone 12 Proは1.5倍の6GBメモリを搭載。メモリの多さによってアプリの起動やコンテンツの処理だけでなく、カメラ性能にも違いが出てきます。4Kの10ビットHDR撮影を実現するDolby Vision記録では、iPhone 12の最大毎秒30フレームに対し、iPhone 12 Proは最大毎秒60フレームで記録ができます。

　4K/60fpsの撮影モードで比較してみると、iPhone 12の400MB/分に対して、iPhone 12 Proは440MB/分と、1分あたりの容量が10％多くなり、それだけ多くの情報量を記録できていることがわかります。