松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第116回
来年には50ドル下げるか、100ドル下げるか:
Apple Watch SEは「iPhone 11」的ポジションにある
2020年10月12日 09時00分更新
●SEが下位モデルになる未来
Apple Watch SEの登場で、スマートウォッチ製品についても、アップルの三段構えのラインアップが完成しました。主力製品の中で、最後にこうしたラインアップを整えた製品であります。というのも、Macはもとより、iPhone、iPadでは、派生モデルもありながら、基本的には三段構えで製品が選択できる仕組みになっていたからです。
iPhoneでは、iPhone SE、iPhone 11、iPhone 11 Proという3つのモデルを用意しており、iPhone 11が価格と魅力のバランスが最も良い製品となります。現状、そのポジションをApple Watch SEで埋めた形となります。
製品ごとのラインアップの考え方があって良いと思いますし、そのブランド名とポジションに齟齬があってもあまり問題はないと思います。ただ、iPhone SE(初代)は2016年から3年間販売されてきたこと、またApple Watch Series 3もすでに3シーズン目の販売になっていることを考えると、2020年に登場したApple Watch SEも、向こう3年は販売が続いていくことになるのではないか、と思います。
たとえば来年になると、Apple Watch Series 3の販売が終わり、Apple Watch SEに置き換えられることになるのではないでしょうか。そこで100ドル値下げされ、現在のApple Watch Series 3と同じエントリーモデルの価格に落ち着くのか、あるいは50ドルの値下げに留めるのかは、判断が分かれるところでしょう。
ミドルレンジモデルと最上位モデルについては考え方が分かれるポイントです。たとえばSeries 6をミドルレンジモデルに位置づけて、テクノロジーやデザインを大きく向上させたSeries 7が登場するシナリオは、もっとも期待するポイントとなります。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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