松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第116回
来年には50ドル下げるか、100ドル下げるか:
Apple Watch SEは「iPhone 11」的ポジションにある
2020年10月12日 09時00分更新
アップルは9月18日より、Apple Watch SEを発売しました。40mmのGPSモデルで2万9800円からと、最上位モデルとなるApple Watch Series 6の4万2800円に比べると1万3000円も安くなります。(いずれも税抜価格)。
iPhoneで言う「SE」は価格をおさえた廉価モデルという印象ですが、Apple Watch SEの下には2017年モデルのApple Watch Series 3(38mm GPSモデルで19800円から)が控えており、2020年の段階でSEはミドルレンジモデルという形になります。
このApple Watch SEについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
●いろんな意味でリサイクル
アップルは基本的に、最上位モデル向けに機能やデザインを開発し、これを下位モデルに採用するという「リサイクル」を実施してきました。
iPhone SEはiPhone 8のボディに最新のA13 Bionicを搭載して実現しましたし、10月に登場するiPad Air(第4世代)は、iPad Pro 11インチモデルのデザインを採用しながら、カメラ、Face ID、ディスプレーの性能などをデチューンしました。
毎年新製品で新しさを作り出そうとしているアップルは、こうした廉価モデルに機能やデザインを引き継ぐことで、採算性を向上させようとしています。これが1つ目の意味でのリサイクル。
もう1つの意味のリサイクルは、アルミニウム素材。これまで航空宇宙産業のグレードのアルミニウムを採用してきましたが、今年からはiPadなどの切削で出た削りかすを再利用するリサイクルアルミニウムとなりました。耐食性も心配ないとのことです。
もっとも、Series 4からケース背面すべてがセラミックスとなり、そうした心配はより少なくなっていると思いますが。
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