普通の音声通話が必要という人はまだまだ多い
月2480円で話し放題のSIMが登場
スマホ時代になり、LINEやFacebook Messengerなど、ユーザー間で無料の音声通話やビデオ通話が可能なアプリが広く使われているとは言え、個人で事業をしている人など、まだまだ普通に電話をかける機会は多い、テレワーク時代になって、必要性が増したという声はしばしば聞かれる。
こうした人に便利なのが、一定の条件と料金で電話がかけ放題になる通話定額サービスである。通話定額は、ドコモ/au/ソフトバンクの主要キャリア、格安SIMの両方が提供しているが、前者はどうしてもトータルでの料金が高め。そんな中、日本通信とHISモバイルが、ともに月2480円(以下、すべて税抜)の料金で時間を問わずに国内通話かけ放題、さらに月3GBのデータ通信も付いてくるというサービスを開始した。
今回はHISモバイルの「格安かけ放題プラン」のSIMを入手したので、実際の使い勝手や特徴について紹介する。
1回あたりの通話時間に制限なし
専用の通話アプリを使う必要もない
あらためて、HISモバイル「格安かけ放題プラン」の音声通話部分の条件を見ていこう。
070/080/090/050で始まる携帯電話・IP電話、さらに固定電話など、基本的に国内通話は何分かけてもすべて定額で追加料金は不要(0570から始まるナビダイヤルなど、一部の他社接続サービスのみが例外となっている)。格安SIMが提供する通話定額は、「1回10分まで」といった条件があって、それ以上の長時間通話では別途料金がかかるのが一般的だが、「格安かけ放題プラン」ではその心配は不要。長電話しても問題ない。
もう1つの特長が、「普通にそのまま電話をかけてもかけ放題になる」という点だ。なんだか当たり前のような話だが、これが実は結構大きい。
すでに格安SIMを使っているユーザーなら理解しやすいだろうが、格安SIMの通話定額では「専用アプリから通話する必要がある」のが一般的だ。これは接続料を安くするために、通話の経路で携帯キャリアではない事業者を経由するのだが、それには電話の発信時に6~8桁の番号を追加する必要がある。専用アプリはその作業を自動化するものだが、専用アプリを使わずに普通に発信してしまうと定額の対象外となって、通常の通話料金が発生する。
iPhoneでの利用時は特に使い勝手の差がハッキリする。たとえばiPhoneにかかってきた通話の履歴を標準の通話アプリで見て、そのまま折り返してしまってはダメ。定額対象にするには着信があった番号を専用アプリにコピペする作業などの一手間が挟まるのだ。
その点、「格安かけ放題プラン」であれば、そうした作業は一切不要なので、単純にシンプルかつ楽だし、長電話好きの親世代に使わせるといったことも容易だ。さらに通話品質という面でも、音声が他の事業者を経由する一般的な格安SIMの通話定額と比べて、かなり良好な印象だった。