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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第113回

アップルのとんでもないプライバシー対策にフェイスブックが悲鳴

2020年09月16日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●ついにFacebookが悲鳴を上げた

 そしてiOS 14では、更なる厳しいプライバシーの仕組みが入ります。それは、ターゲティング広告などに利用されるユーザー識別子(IDFA)を取得する際、ユーザーに許可を取らなければならないというルールです。第三者がユーザーの行動を追跡する場合は通知が入ることになり、ユーザーが通知に対して許可を与えなければ、追跡を免れるということになります。

 これに不満を露わにしたのがFacebookでした。広告ネットワークに相談なくポリシーを変更しようしている点を批判しており、これまで無料、広告費でまかなわれてきたウェブサイトやサービスの根本を覆す可能性を指摘しています。これとアップルが推進するプライバシー強化は、相反する事象だというわけです。

 この「都度許可を取る」仕組みは、許可がもらえなければ広告配信に影響が出て、Facebookのような広告配信企業はもちろん、ウェブサイトの運営者の収益も毀損します。同時に、画面に「トラッキング許可を求めるボタン」がしょっちゅう表示されることは、ユーザー体験を損ねますし、ブランドのウェブサイトであれば悪い印象を与えてしまうことになります。

 この許可を取る仕組みの導入は、iOS 14のリリース時ではなく、2021年以降に延期されました。しかし、アップルは後戻りするつもりはなさそうです。皆さんは、どう考えますか?

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