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JAWS版24時間TVはやっぱり真夜中も見逃せなかった!

24時間開催の「JAWS SONIC 2020&MIDNIGHT JAWS 2020」を楽しむ(シゲモリ編)

2020年09月15日 10時00分更新

文● 重森大 編集●大谷イビサ

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寝起きの頭を起こすのに、布団でiPhoneから聴講できるのサイコー

 24時間もぶっ続けでイベントやらないでくれるかなあ。24時間ぶっ続けで取材しないといけないじゃないの……と思いながら取材を始めたJAWS SONIC 2020もDay2のレポートをお届けしよう。オンライン懇親会まで含めて、いろいろと刺激を受けた。

 いきなり個人的な話だが、筆者は寝付きが悪い。疲れているとき、特にアドレナリン系が優位なときは格別に寝付きが悪い。MIDNIGHT JAWSを聴講していた午前6時、Facebookで大谷の起床を確認したので、バトンタッチして布団に倒れ込んだ。が、実際に眠りに落ちたのは9時。目が覚めたのは12時だった。とっくにDay2が始まっており、というかあと5時間しか残っていない状況になっている。

 いや待て。「勉強会の残りがあと5時間」って、めちゃくちゃあるじゃないか。なんなら5時間より短い時間で終わる勉強会だって多いくらいだ。感覚が壊れてきているようだ。

 そんなこんなで、寝起きのスッキリしない頭でTwitterを開く。ハッシュタグ #jawssonic2020 を検索して、現状把握に努める。ふむふむ。えーっと、どりぃさんが……しまったー! JAWS-UG関西女子会のセッションを見逃した。楽しみにしていたので残念(編集部註:あとで動画を送っておきました)。長丁場のイベントだと、どのセッションを聴講して、どの時間帯で休むかというのは悩ましい問題だ。どの時間に休んでも逃してしまう魅力的なセッションはある。そこは諦めるしかないのだ。

 仕事部屋のエアコンをオンにして、部屋が冷えるまでの間、布団でゴロゴロしながらiPhoneでセッションを聴講していた。JAWS-UG群馬 岩瀬 直子さんの「AWSを使って個人サービスを作っている話」は、道の駅マップなどが出てきて興味津々。クルマで移動して車中泊することが多いので、道の駅は割とよく使うのだ。飲食店の営業時間や近隣の観光情報も登録していく予定ということで、サービス拡張にも期待が持てる。寝起きであったこととサービスが個人的興味にヒットしたため、使っている技術についてあまり頭に入ってこなかった。ごめんなさい。

 途中、寝室に次男が顔を出した。
 「人の声がするからテレビでも観てるのかと思った」(次男)
 「(布団でゴロゴロしながらTwitterにメモを取りつつ)取材中だよ」(筆者)
 「取材……はい」(次男)
 一瞬だが、次男が筆者を蔑むような目を見せたのは、気のせいだろうか。
 

絶賛取材中

 続く「『センサーデータを監視したくないでござる』という実家IoT話」も興味深いセッションだった。語り手はJAWS-UG愛媛の沖 安隆さん。ITに少しでも詳しい人であれば、実家の遠隔監視は一度は考えたことのある話題だと思う。特に役立ったのは、現状市場に出回っていて入手が容易なデバイス群の紹介。

「エアコンや周辺機器が進化して快適な気温を保ってくれるといっても、高齢者は『暑くない』といってエアコンを使ってくれなかったりします」(沖さん)

 そう、それ! 「窓を開ければ風が入るから快適よ」なんて平気で言うんですよね。センサーで遠隔からもしっかり室温がわかるというのは大事。

クラウドイベントで聴ける思わなかった、人材教育論

 みなさんご存知くまもん、ではなくJAWS-UGクラウド女子会の多田 歩美さんが登場。内容は「人を育てるということ〜自己の成長を他人の成長に連鎖させる〜」というIT勉強会から想像のつかないもの。しかしこれが新たな知識と示唆に富んだ良セッションだったのだ。

 多田さんは、人の成長を支援するために大切なこととして情熱、とにかくやってみせる、言って聞かせる、気合いで乗り切るというありがちな手法を挙げ、「これらも間違いではないが、精神論でしかない」と言い切った。

 「精神論ではなく成長を支援するには、何に気をつければいいのでしょうか。ひとつは人間観。もうひとつは科学的な知見を活用して再現性を高めることです」(多田さん)

ついついやってしまいがちな精神論でのアプローチ

 人間観というポイントにおいて多田さんは、自分の価値観や経験のみにもとづく考え方、特に精神論にもとづく「気合い」などを相手に押しつけないことが大切だと言う。これは、人を育てるときだけではなく、他人と対等にコミュニケーションを取るうえで常に心がけたいポイントだ。考え方としてわかりやすいけど実行が難しい、という類いの課題でもあるが。

 一方、もうひとつのポイントである再現性というのは筆者にとっては新しい視点だった。あの人がこうやって成功したから同じようにする、自分がこうやって成功したから同じようにしろ、という話はどこでも聞く話だ。何なら筆者自身も子育ての中で、自分の経験を引き合いに出すことは多い。しかしこの成功体験はn=1でしかなく、必ずしも再現性があるとは限らないと多田さんは言う。

「心理学、教育学、経営学など科学として実証され、再現性を確保できるアプローチを取らなければなりません」(多田さん)

 この後、多田さんは大人の成長支援に活用できる理論を2つ紹介してくれた。1つは「アンドラゴジー」という大人のための教育学、もう1つは「ジョハリの窓」という考え方だ。それぞれについては筆者も深く理解できた訳ではないので、興味のある読者はキーワードを頼りにネットの海を泳いでみてほしい。勉強会を運営する人たちにとっても、有益な知見を得られるはずだ。

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