JAWS版24時間TVはやっぱり真夜中も見逃せなかった!
24時間開催の「JAWS SONIC 2020&MIDNIGHT JAWS 2020」を楽しむ(シゲモリ編)
2020年09月15日 10時00分更新
そんなことを考えているうちに、JAWS-UG和歌山の山口 誠二さんのセッションが始まった。Amazon Pollyを使ってAIアナウンサーを開発し、エフエム和歌山で実運用している。今回はテクノロジー寄りではなく、コンテンツやサービスの使い方に寄った内容のセッションとなっていた。
「ラジオを聴くのは、密室でひとりでいるとき。複数の人がいるとラジオはノイズになってしまうんです。テレビはお茶の間に向けて語りかけますが、ラジオはひとりに向けて語りかけるように話をします。これはVUIとの大きな共通点です」(山口さん)
Alexaなどのスマートスピーカーでスキルを作る話は、よく聞く。しかし、Alexaに何を喋らせるかというネタはなかなか思いつく物ではない。山口さんは本業であるラジオのコンテンツをどのように作っているかを語り、Alexaに喋らせるコンテンツのヒントをくれた。
音声メディアの先にあるものとして、最後に見せてくれたのがAmazon Sumerianを使ったプレビューだ。AIアナウンサーの音声に、CG動画を組み合わせたもの。画面内にはアナウンサーが二人立ち、ニュースを読み上げる。そのニュースの映像もピクチャー in ピクチャーで綺麗にインサートされている。その未来感はかなりのもので、このタイミングでTwitterのコメントが加速したことから聴講者の盛り上がりも感じ取れた。次々に新しい世界を見せてくれる山口さんの活躍には今後も期待したい。
NW-JAWS立ち上げの背景や立役者のその後の活躍が語られる
JAWS-UG福岡のゆるーい大喜利セッションなどを見ているうちに、時刻は23時。すでにスタートから6時間が経過しているが、これでもまだ4分の1だ。先は長い。
そこに登場したのが、NW-JAWSから里見 宗律さん、大橋 衛さん、そしてJAWS-UG on ASCIIから大谷 イビサが登場。「お蔵入りのネタが今夜解禁!! NとKのキーマンがAWSで描く未来を語り尽くす!!」というタイトルで、3年前にお蔵入りになった記事を振り返りつつ改めて対談するという内容。2016年に里見さん、大橋さんらが中心となり立ち上げたNW-JAWSの話題も出たエンタープライズでAWSを堂々と使うという状況にはなく、エンタープライズ向けの情報もあまりなかったという背景があったとのこと。
「NTTとKDDIが一緒にJAWS-UGをやるというのが、斬新でしたね。会社に怒られるんじゃないかなと思いながらちょっとコソコソとやってました」(里見さん)
「私は単身NTTのビルに乗り込んで行って打合せしましたもんね」(大橋さん)
本業では真正面からのライバル企業同士。他にもネットワーク機器ベンダーから多くの参加者を迎えるなど、大谷いわく「いかにもJAWSっぽい」コミュニティになった。なぜかラスベガス開催が多いという不思議なJAWS-UGでもあり、色々な意味で浮いているコミュニティでもある。
コミュニティから得たものを本業にも反映しているという話題に移り、ふたりの現在の取り組みも語られた。
「JAWS-UGはボランタリー精神で運営されていて、それを見ているうちに会社でもそうした自主性を重んじた組織を作れないかと考えるようになりました。そんなことを考えているときにクラスメソッドの横田社長と出会い、クラスメソッドの働き方に感銘を受けて、2020年に一緒にネクストモードを起業しました」(里見さん)
「私は外に情報を取りに行くということをJAWS-UGで学び、社外の人と交流する勉強会を始めました。それとは別に社内向けの勉強会も始まっています。以外と社内のエンジニア同士がお互いにどんな技術を持っているのか知らなかったりするので、交流が役に立っていますね」(大橋さん)
最後は時間切れで里見さんが喋っている途中で切り替えられて終わるほど、話題が多く濃密なセッションだった。
なんてことを書いているうちに、YouTube Liveで「JAWS SONIC 2020 勝手に副音声」が始まっていた。「怒られるまでやります」と突っ走ったのは、AWSJのソリューションアーキテクト 西谷 圭介さん。「Lambdaでrubyを使ったプロダクトはまだ少ない」などの情報を得られて、本編とは違った楽しみ方ができた。