90日間無償でクラウド型営業支援ツールとコラボレーションツールを提供、業務効率化を支援
セールスフォース、中小企業向けDX支援パッケージを無償提供
2020年09月14日 07時00分更新
セールスフォース・ドットコムは2020年9月10日、従業員200人未満の国内中小企業/法人を対象とした「中小企業デジタル変革支援パッケージ」を90日間無償提供すると発表した。クラウド型の営業支援ツール「Salesforce Sales Cloud(Enterprise Edition)」とチームコラボレーションツール「Quip(Enterprise Edition)」をセットにしたもので、1社あたり最大30ライセンスを提供。申込期限は2020年10月30日まで。
コロナ禍で影響を受ける中小企業の生産性向上、事業継続を支援
今回の無償提供は、長引く新型コロナウイルスの影響を受ける中小企業の生産性向上や事業継続のためのデジタル変革の支援を目的としたもの。同社 専務執行役員 コマーシャル営業の千葉弘崇氏は、このパッケージを利用することで「どこからでも顧客につながったり、従業員同士の情報共有やコラボレーション、共同作業を支援したりできる。効率性や生産性を高めながら、ビジネスを推進できるものになる」と説明する。
Salesforce Sales Cloudは、顧客に関わるすべての情報を集約し、過去の提案記録や見込み客の興味関心、進行中の商談などを誰もが把握できるようにする。同時に、商談の“成功パターン”をシステムに組み込むことで重要な案件を抽出し、そこにリソースを配分することで営業活動を効率化できるのが特徴。
また、Sales Cloudには同社のAI技術である「Einstein」も組み込まれており、企業が保有するデータをEinsteinが自動分析し、傾向や気づきを営業担当者に提供する。たとえば「Einstein予測ビルダー」機能では、商談化や解約の可能性を予測してスコアリング。また「Einstein Next Best Action」機能では、次に顧客提案すべき製品や案内すべき情報といったものを推奨してくれる。
さらに、営業担当者やマネージャーが見たい切り口から情報を閲覧し、意思決定を行えるため、投資対効果が高い案件やリソースを投入すべき領域を把握することができ、組織全体が「データに基づく判断」を実施できる体制が整うという。
Sales Cloudの特徴について、同社 マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャーの秋津望歩氏は次のように語った。
「属人化をなくし、限られた人員でも最大の成果を上げることができるようにパフォーマンスを向上するとともに、人手不足時代に対応するためにAIを活用。Einsteinにデータを学習させるだけですぐに利用できる。そして、競合を超えるスピードで成長を加速させるPDCAサイクルを回すことができる。日報やフォーキャストの提出、確認のためのミーティングも不要になる。新たな市場や業界、変化するニーズにすばやく、柔軟に対応できるようになる」(秋津氏)
またQuipは、同社が“コンテンツコラボレーションプラットフォーム”と位置づけるツール。チームメンバーとのコミュニケーションやフィードバック、ナレッジ共有、意思決定、プロジェクト管理をひとつの場所で行いながら、常に最新の情報を基に意思決定を行うことができる。多様な外部ツールとも連携してデータを取り込むことができるので、古い情報を参考にしてアクションを起こしてしまうような時間の無駄を削減し、限られたリソースを価値の高い業務に集中して最大限の成果を上げることが可能になるという。
「Quipをひとことで言えば、Word、Excel、チャットがひとつの画面に集まったツール。いつでもどこでも、必要なメンバーと会話をしながら業務を進めることができる。在宅勤務に求められるセキュリティにも対応しており、どこにいても業務が止まることがない。また、テンプレートが用意されているため、初期設定がなく使いはじめてもらえる」(秋津氏)