●iOS 14は、キャッチアップ要素が多い
Androidとの競争は常に繰り広げられています。たとえばARを含むアプリAPIの整備状況・動作については、iPhoneが常にリードしてきました。プライバシーへの取り組みや信頼感も同様です。
一方で、アプリの自由度、端末カスタマイズの自由度の面では、常にAndroidが勝利しており、むしろこの部分についてiPhoneはコンサバティブな姿勢を貫いています。筆者はiOS 14には、「体験のコンパクト化」というコンセプトを見出していますが、その中にはAndoridへのキャッチアップという要素も多く見受けられます。
今回のテーマであるウィジェットについても、同様と言えます。
ウィジェットは、iOS 8に登場し、通知センター内の「今日」タブに並べることができます。ウィジェットというと小さな枠の中に収まったミニアプリ、もしくは情報表示のイメージですが、iOS 8で実装されたウィジェットはどちらかというとショートカットやメニューリストを編集するようなイメージでした。
そこから発展し、iPhoneのホーム画面へのウィジェット配置が(ようやく)可能となったのです。
●ウィジェットはショートカット的に活用したい
iOS 14で対応するウィジェットは、簡単に言えば大・中・小の3サイズ。大はアプリで言えば4×4個分の領域を占有し、中は横長の4×2個分、小はスクエアの2×2個分です。
アプリ開発者は、複数のサイズ・複数の種類ののウィジェットに対応させることができ、各サイズで何を表示するかを選択することができます。
アプリを長押しするなど、ホーム画面の編集モードに入って、プラスボタンを押すことで、ウィジェットを追加することができます。ウィジェットを配置すると、その部分はアプリアイコンが避けてくれる仕組み。
iOSにおけるウィジェットのコンセプトは、適切で一覧性が高い情報を表示すること。そのデザインの例として引用されていたのがwatchOSのコンプリケーションズでした。
コンプリケーションズは文字盤に埋め込む情報表示機能で、カレンダーやストップウォッチなどの最新の情報を表示したり、タップすることでそのアプリへのショートカットにもなります。こうした使い勝手をiPhoneのホーム画面にも持ち込もうというアイデアだと理解しています。
iPhoneのウィジェットのホーム画面への配置も、同じようなコンセプトで捉えると良さそうです。アプリを開くまでもなく情報を確認したり、その表示からより細かい情報を確認したり、操作したい場合にはタップすることでアプリに飛ぶ、情報表示機能付きのショートカットという位置づけ。
一方、大きなサイズのウィジェットも用意されており、例えばカレンダーの場合、直近の予定と今月のカレンダーの両方を表示できます。この場合、カレンダーアプリを開かず、ウィジェットだけで事足りるわけで、中・大サイズは確認用、小サイズはショートカット、という使い分けを考えると、使いこなせそうですね。

この連載の記事
-
第321回
トピックス
10万円前後のMacBook その存在は“ワクワク”か、“退屈”か -
第320回
トピックス
アップル「iPad Pro(M5)」、もはや“Mac代わり”になり得る存在に -
第319回
トピックス
ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは -
第318回
iPhone
アップル「iPhone」「iPad」最も注目すべき4つの新機能 #WWDC25 -
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 - この連載の一覧へ










