シャープは、同社が生産している不織布マスクの生産が、今週半ばに、日産60万枚に到達したと発表した。
同社では、2020年3月以降、日産50万枚のフル生産体制を目標として、生産設備を順次導入してきたが、同社によると、「1枚当たりに要する生産時間の短縮や、良品率の改善などによって、生産効率の向上を実現。その結果、今週半ばに日産60万枚に到達した。今後、安定的に60万枚以上の生産を進めるとともに、さらなる生産効率のアップに取り組んでいく」としている。
当初計画していた生産設備の導入だけで、想定していた生産数量の1.2倍の増産を実現した格好だ。シャープのモノづくり技術の高さを証明するものだといえそうだ。また、同社では、7月15日に実施した第12回目となるマスクの個人向け抽選販売の結果も発表した。
抽選対象として用意したマスクは、8万6000箱(50枚入り)で、応募総数は858万7161人となった。抽選倍率は99.9倍となった。
抽選は毎週水曜日に行われており、一度応募した人すべてが、毎回、抽選対象となっている。今回、新たなに応募した人は7万2022人だった。
同社では、7月22日に実施する予定の第13回目の抽選では、増産効果を反映して、1000箱増量し、8万7000箱を用意するという。
60万枚の生産規模となれば、1週間に420万枚のマスク生産が可能であり、8万4000箱を生産できる。当選しても辞退する人を見込んで、抽選数量を8万7000箱にまで増やした模様だ。
シャープでは、抽選数量を少しずつ増量させているが、新規の応募が毎週6~7万人増加しており、抽選倍率は100倍前後の状態が続いている。第1回目から応募している人からも「なかなか当たらない」という声があがっている状況だ。
一方同社では、6月29日に開催した株主総会にあわせて、株主を対象にしたマスクの優待セールも実施している。価格の割引などはないが、シャープ製マスクを購入したい株主は、必ず1箱を購入できる特別措置で、7月31日までが期限となっている。同社の株主数は、約19万5000人で、株主優待セールでマスクを購入した株主からは、すでにマスクが届いたとの声もある。
シャープでは、今後も日産60万枚以上の生産を行うために、生産効率の向上に向けた取り組みを行う姿勢をみせているが、当面は、100倍前後の倍率は続くことになりそうだ。