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モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第16回

こんなに見た目が茶色くていいのかしら:

セブン「ペッパーバターライス&豚焼肉弁当」こういうのでいいんだよ

2020年07月03日 16時30分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「ペッパーバターライス&豚焼肉弁当」
セブン-イレブン
税抜460円
販売地域:首都圏(埼玉一部除く)
https://www.sej.co.jp/i/item/08040197.html

男の子ってこういうのが好きなんでしょ

 一人で生きていると、栄養バランスなどを気にしなくても、誰からも文句を言われません。それは、どこまでも自由であると同時に、寄る辺のない孤独でもあります。

 それゆえに、食べるものには気をつけないとな、と思いつつ、ときにはただただエネルギーを補給するような弁当がほしかったりするのです。独りの夜を埋めるのは、仮りそめの愛情ではなくて、カロリーと塩分なのです。

 気の利いたランチプレートや、手作りのお惣菜などもよいけれど、たまには「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるお弁当がほしい……と探していたら、セブン-イレブンで見つけてしまいました。「ペッパーバターライス&豚焼肉弁当」です。税抜460円。販売地域は首都圏(埼玉一部除く)。

「新発売」のシールがまぶしい

 スパイスが香るペッパーライスと、豚焼肉を盛り付けた弁当です。豚焼肉は、にんにく、たまねぎなどの香味野菜を使った、うま味とコクのある焼肉タレを絡めているとのこと。1食あたり666kcal。

666kcalよりも炭水化物102gのほうが気になる

 とにかく、見た目がいいです。茶色。ブラウンです。彩りなんてどうでもいいもんね、という気概を感じます。ごはんとおかずを仕切るバランが唯一の緑色で、あとは基本、茶色ですね。「見立て」によって山水の風景を表現する、日本庭園のようなたたずまいも感じられます。……そうでもないかな。

「茶色」って感じでいいですよね

ペッパーバターライス、うっすらと茶色

 ライスも白米ではなく、ペッパーバターライスというところが、なんともガッツリ系です。もっとも、豚焼肉のタレの香りが強いので、ライス自体にそこまでガーリックな匂いがただよってくる感じはありません。

豚焼肉、しっかりと茶色。下に敷いてあるスパゲッティも茶色

 メインの豚焼肉はスパゲッティの上に乗っており、余計なものはいらないとばかりに豚肉(と、たまねぎ)が存在を主張しています。こちらは濃厚な香味野菜の芳香があり、食欲をそそりますね。

 しかし、いさぎよい外見だこと。なんだか一人暮らしを始めたばかりの自炊を思い出して、センチメンタル・ジャーニーな気分になってしまいました。影絵のように美しい物語だけ見てたいのですが筆者はまだ16どころかもう33歳、こんな弁当を食べ切れるのでしょうか。

なんだかんだでバランスが取れている

意外と味は濃くないペッパーバターライス

 ところが、食べ進めてみれば、茶一色(チャーイーソー)な見た目とは裏腹に、なんだかんだでバランスが取れていることに気付くでしょう。

 ポイントは、ペッパーバターライスがそれほど濃くはないことです。バターもしつこくないし、にんにくの香りがすごいわけでもないので、思ったよりもたれる感じにならない。くどくないのです。

豚焼肉はきっちり濃い目

 一方、豚焼肉は味が濃い目で、見た目通りの甘辛い味。焼肉というか、しょうが焼きというか、そういうテイストの味です。香味野菜の香りもしっかり付いているので、まさにガッツリ系。お肉は柔らかめ、タレ多め。薄味のペッパーバターライスと一緒に食べることを想定して、相性がよく考えられています。

 ただ、気になるのは、肉の下にあるスパゲッティが、かなり多い点。豚焼肉のタレが絡んでいる上に、にんにくの香りで、甘辛いペペロンチーノみたいな気持ちで食べられますが、豚焼肉のかさ増しに使われているんじゃないか、という疑念はぬぐえないのであります。もうちょっと、スパゲッティが少なめ、肉が多めでもよかったのでは。

スパゲッティがかなり多い。これをどう取るか

 とはいえ、濃いタレの味で一本調子になりそうな豚焼肉に、パスタの食感が加わることで、おかずとしての食べごたえを重層的にしている点では、評価できそう。とにかく肉が大盛りじゃないとイヤだ、という人は眉をひそめるかもしれませんが、トータルの完成度に貢献していると考えてもよいでしょう。

 とにかくシンプル・イズ・ベスト、ストレートとたまに投げるカットボール(スパゲッティ)で勝負するパワー系投手みたいなお弁当です。想像通りの味というべきでしょうか。そうはいっても、ライスと焼肉のバランスが考えられていたり、胸がムカムカするほど大盛りではなかったりするのも、「こういうのでいいんだよ」と言いたくなる良さがあります。

 凝ったものはいらない、なんかこう……ガッツ! スタミナ! でも超特盛とかじゃなくていい! というときに、ぜひ。


モーダル小嶋

 

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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