多摩地区に居ながら長浜屋台の雰囲気を楽しめる「元祖長浜 大学ラーメン」。
個人的に凄く思い入れのあるお店で、私がラーメンの食べ歩きを始めるきっかけになったお店でもあります。
最初は1998年3月、青梅線の中神駅近くにオープンしたお店で、屋号の「大学ラーメン」はご主人のお婆さんが営んでいた「大学食堂」から取ったものとのこと。
当時はラーメンを頻繁に食べることも無く、本格的な「豚骨ラーメン」というものも食べたことが無かった私は、近所にオープンしたという理由だけで何気なく入り、初めて食べた本物の豚骨ラーメンに感動し、それからはバンドの練習帰りやスポーツジムの帰りなどについつい寄ってしまうようになり、多い時は週3〜4回通う位にハマってしまいました。
このラーメンとの出会いをきっかけに「ラーメンは、こんなに感動出来るものなんだ!」と思い、色々なラーメン屋さんを食べ歩くようになりました。
それ以来20年以上食べ歩き、年間500杯近く食べるようになった今現在でも、この「元祖長浜 大学ラーメン」は特別な存在であります。
そのラーメンに感動したのは私だけでは無く、すぐに沢山のお客さんに愛される人気店となりました。
当時は路上駐車の取り締まりが今のように厳しくなく、それが当たり前のような時代だったこともあり、お店の前には路上駐車が絶えませんでした。道端も決して広いとは言えない道路で路上駐車が増え過ぎたこともあり、度々警察から注意を受け、移転を余儀なくされる状況となりました。
そんな経緯もあって中神のお店は2005年7月に閉店し、2005年10月14日に現在の東大和市に移転オープンしました。
移転したその店舗は、外装も内装も長浜屋台を思わすような佇まい。
豚骨ラーメンをより楽しめる雰囲気となり、さらに「スープから目を離さずにいられる」と自宅兼店舗という形にもなって、2011年6月からは自家製麺も始めることになりました。
メインとなる「ラーメン」は、福岡のご当地ラーメンの一つである「長浜ラーメン」と呼ばれる豚骨ラーメン。
豚骨を主体にした濃厚なスープは、心地好いと感じる位の豚骨の風味が漂い、濃厚でありながらも円やかでクセの少ない仕上がり。甘味のあるタレの味が合わさった本格派でありながら、食べやすく飽きの来ない味わい。
日々調整と変化を加えているスープで、中神のオープン当初とは別物に近い位に変わっていると思いますが、いつ食べてもホッとでき、ほっこりと笑みが溢れてしまうような温かみを感じる味わいで、一度ハマってしまうと他では代えがたいものとなります。
以前は福岡の製麺所から麺を空輸していましたが、現在は全て自家製麺となっています。しかし小麦粉の持つ甘味のような味は福岡のものでしか出ないとのことで、自家製麺となっても福岡の小麦粉を使っていて、低加水の細ストレート麺はその特徴をしっかり感じられるものとなっています。
自家製麺になってからは、かなり調整や熟成などを考えられている印象的で、食感の微妙な変化も楽しみになったりします。
トッピングの肩ロースチャーシューも絶品。口に含むと溶けるような柔らかさで、豚肉の風味と旨味を存分に楽しむことができます。
「つけ麺」は中神時代の中盤頃から加わったメニューで、当時はラーメンと同じ細麺を豚骨スープで楽しむものでした。移転後は細麺と太麺が選択可能になりましたが、現在は太麺のみとなっています。
つけ汁も当初のものとは違い、「つけ麺」としてのバランスを考えられたスッキリさのある豚骨スープとなり、ラーメンとはまた違った味わいを楽しむことができます。
2009年より新しく加わった「みそとん」。
大学ラーメンに新メニューが加わるとは思っていなかったので衝撃でしたが、濃厚かつまろやかな豚骨スープに豊潤な薫りを持った味噌が合わさっていて、大学ラーメンらしい風味を感じさせながら味噌をグッと主張させた、「味噌ラーメン」としてしっかり作り上げられた一杯!
2018年、9年ぶりの新メニューとなる「ちゃんぽん」が登場!
たっぷりの野菜や海鮮などの具材の旨味が移ったスープは、「ちゃんぽん」としてハイクオリティなものに仕上がっていて、まったりしたクリーミーさと優しい甘味が感じられます。中太の麺も自家製ならではのマッチングを見せ、豊かな風味も楽しめるもので、大学ラーメンの新しい一面を見られる一杯!
たまたまかもしれませんが、発売以降お店に行くと必ずこの「ちゃんぽん」を注文しているお客さんを見かけます。
麺類の品数はそれほど多くありませんが、「からし高菜」や「激辛高菜」などの定番トッピングや、刺激的な辛味と風味がどのメニューもマッチする「エビ油」などのトッピングが用意されており、味に変化やアクセントを加えられます。
麺も「やわらかめ」「普通」「硬め」「ばりかた」「はりがね」「粉おとし」の6段階から選べるので、それぞれの食感の違いを楽しんだりすることができます。
中神時代から定番のサイドメニューも、大学ラーメンの魅力の一つ。
ポン酢や生卵を柔らかな豚しゃぶに絡めて食べる、ボリュームたっぷりな「豚しゃぶご飯」や、大きくて太い明太子がのった「明太ごはん」もオススメの逸品。
強いインパクトがある訳では無いですが、気づくとまた食べたくなる、食べるとほっこり笑顔になれる、そんな優しさと温かみを感じられる味と雰囲気を楽しめるオススメのお店です♪
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店にご確認ください。
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
本人ブログ(http://blog.livedoor.jp/zatsu_ke/)
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