日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(Xperia 1以降は番外編としてグローバルモデルを紹介しています)。
同時期に発表された4モデルの末弟的存在
日本未導入に終わった「Xperia J」
今回紹介するのは、2012年第4四半期に発表された「Xperia J」です。コードネームは「JLo」、モデル番号は「ST26i/ST26a」になります。
この時期、Xperiaシリーズのラインナップとして「Xperia T」「Xperia TX」「Xperia V」とともに発表されました。Xperia T/TXは、4.6型ディスプレーを搭載したモデルで、Xperia TXは国内モデルの「Xperia GX」と同等です。Xperia Vは、4.3型ディスプレーを搭載したモデルで、国内モデルのドコモ版「Xperia AX」、au版「Xperia VL」に相当するモデルです。
Xperia Jは、4型ディスプレー(854×480ドット)を搭載し、本体サイズは約61.2×124.3×9.2mm、重さは124gと、4機種の中では一番コンパクトかつ軽量となり、Xperia Tと並んで国内には投入されなかったモデルだったのです。
この4機種の共通しているのは、背面が反ったアークデザインを採用しているということ。「Xperia arc」以来のアークデザインとはいえ、本体は大型化しボディー全体としてはかなり丸みを帯びたものへと変化しています。
スペックを見てみると、CPUにSnapdragon MSM7227Aを搭載し、メモリーは512MB、内蔵ストレージ4GBですが、使用可能な領域は約1.3GBと少なめでした。そのかわり、外部ストレージに対応し最大32GBまでのmicroSDカードが使えました。OSはAndroid 4.04を採用。バッテリーも着脱可能で容量は1750mAh。背面カバーは取り外し可能で、カバーの色が異なるだけで、本体部分はすべて黒で共通だったのです。
メインカメラは約500万画素CMOSセンサーと、LEDフラッシュを搭載。インカメラは30万画素というスペックでした。
エンタメ機能としてソニー独自のオーディオ技術「xLOUD」を採用し、迫力のあるサウンドを再生もできます。インターフェースは、電源ボタン、ボリュームキー、イヤホンジャック、microUSB端子など。Xperiaではおなじみのカメラキー、防水防塵機能は搭載されていません。
カラーバリエーションは、ブラック、ホワイト、ピンク、ゴールドの4色が用意されていました。
そしてXperia V、Xperia Jの2機種から、ソニー・エリクソンの象徴とも言える緑色のロゴマークがついに消滅。Xperiaの歴史の中で大きな節目となったモデルでもあったのです。
この連載の記事
-
第97回
デジタル
ソニーの技術力を結晶させた「Xperia PRO-I」は今後のXperiaの方向性を示している -
第96回
デジタル
コンパクトプレミアム「Xperia 5 III」はSIMフリーも登場し、シリーズの中核的存在 -
第95回
デジタル
ミッドレンジXperiaでは初の5G対応「Xperia 10 III」 -
第94回
デジタル
ソニーの技術を集結! ワンソニーをついに体現できた「Xperia 1 III」 -
第93回
デジタル
Xperiaで初めて5Gミリ波に対応したプロ向けスマホ「Xperia PRO」 -
第92回
デジタル
今でも現役で使えるスペック&持ちやすさが魅力の「Xperia 5 II」 -
第91回
デジタル
トリプルカメラへと進化したミドルレンジXperia「Xperia 10 II」 -
第90回
デジタル
5G対応でα譲りのPhotography Proモードが初搭載された「Xperia 1 II」 -
第89回
デジタル
スペックはミドルクラスながらもソニー独自の性能が楽しめる「Xperia 8」 -
第88回
デジタル
コンパクトな握りやすさとハイスペックを両立させた「Xperia 5」 -
第87回
デジタル
ターゲットを絞った戦略に舵を取った「Xperia 1 Professional Edition」 - この連載の一覧へ