2020年6月11日、コロナ自粛で開業が延期されていた虎ノ門ヒルズビジネスタワーがオープン。注目は3階の「虎ノ門横丁」。東京の人気店26店舗が出店し、屋台街のような開放的な客席が連なっている。
そんな虎ノ門横丁に2軒、同じビジネスタワーの地下1階レストラン街に1軒のラーメン店が出店している。早速行ってきたので紹介します。
1.「鮎ラーメン+」(虎ノ門横丁)
2002年に創業した「鮎ラーメン」。その名の通り、鮎を使ったラーメンで話題を集めてきた。虎ノ門横丁への出店では「鮎ラーメン+」として、鮎ラーメンだけでなく、夏は冷やしつけ麺スタイルの「鮎涼ラーメン(ランチ限定)」を提供していて、秋からは広島県大黒神島の牡蠣を使った「牡蠣ラーメン」が登場する予定との事。
夜の部では「生牡蠣」「焼牡蠣」もあり、日本酒やワインも楽しめる。
鮎、鶏ガラ、香味野菜を丁寧に煮出した透明なスープ。細縮れ麺を啜れば、じんわりした旨みの中に鮎の香りが漂ってくる。具には海苔、ネギ、蓼の葉に加えて、鮎の一夜干しを堂々とトッピング。鮎の味に焼きたての香ばしさが加わってインパクト抜群。一夜干しは骨を丁寧に外しているので、勢いよくかぶりついてほしい。「鮎焼きおにぎり」か「鮎姫ごはん」を追加注文し、スープに入れて「鮎ぞうすい」として最後まで楽しむのもオススメ。
2.「中華そば 勝本」(虎ノ門横丁)
2015年に水道橋で開業した「勝本」。2018年には「銀座 八五」の出店で話題を集めた。「虎ノ門横丁」では屋台風の店構えの中、醤油味の中華そばにトッピング、軽いつまみとビールやハイボールなどを提供している。
「勝本」といえば丁寧な接客が印象に残るが、それが具現化されたものとして、箸立てに入れた割り箸が挙げられる。本店同様に箸の先を紙で包んでいる。ひと手間の心遣いがありがたい。
スープに使う素材は銘柄鶏や煮干しなど、水道橋の本店と変えてないそうだが、スープの取り方やタレは色々と調整して、この場所にマッチした味にしたとの事。スープに漂う鶏の旨み、スープから香る煮干しの風味に勝本らしさを感じるが、甘さの広がりが最大の個性になっている。「横丁」という場所柄を考え、他の店で食べた後に「締め」で食べる人にも満足できる味を考えた模様で、丼を小ぶりなので麺量も控えめ。浅草開化楼の短めの中太麺を啜れば小気味よいリズムを刻める。
今後、「つけ麺」も登場に向けて調整中とのこと。
3.「てんせんめん」(地下1階レストラン街)
「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」には、地下1階にもレストラン街がある。そこに「虎ノ門横丁」にも出店した「中華そば 勝本」のネクストブランド店が出店。現在の麺メニューは「味噌担々麺(清湯)」のみで、「味噌担々麺(濃厚)」を準備中との事。「パクチー入れますか?」と最初に確認されます。
見た目には醤油清湯に見えるスープは、動物系素材と野菜などを合わせた「コンソメ」で、「銀座 八五」同様にタレ不使用との事。そのままでは「味噌」でも「担々麺」でもないが、辛ネギの下にたっぷり入った肉味噌がスープの味を徐々に変えて、辛さも加わっていくことで「味噌担々麺」と呼ぶべき味に変化していく。別売の「ご飯」に、肉味噌やスープをかけるのもオススメ。
「てんせんめん」という店名の由来は、ロシア出身の画家が説いた「点と点が繋がると線になり、線の重なりが面になる」という理論。店内にはその理論をモチーフにした作品が飾られている。味の変わり方や、その濃淡の変化が「点から線、そして面」という広がりを味で表現しているといえるかもしれません。
山本剛志 Takeshi Yamamoto (ラーメン評論家)
2000年放送の「TVチャンピオンラーメン王選手権(テレビ東京系列)」で優勝したラーメン王。全国47都道府県の10000軒、15000杯を食破した経験に基づく的確な評論は唯一無二。ラーメン評論家として確固たる地位を確立した現在も年に600杯前後のラーメンを食べ続けている。
百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/)
本人Twitter @rawota
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