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さとうなおきの「週刊アジュール」 第127回

Azure Machine Learningの「責任あるML」機能を発表

「Build 2020」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》

2020年06月08日 08時00分更新

文● 佐藤直生 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 こんにちは、さとうなおきです。今回の「週刊アジュール」では、2020年5月17日~23日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。

 5月20日~22日には、Microsoftの年次カンファレンス「Build 2020」がオンラインイベントとして開催されました。このBuild 2020におけるアップデートを中心に、インフラアプリ開発データAI/IoTの4回にわたってお伝えします。今回は、AI/IoT編編です。

Azure Machine Learning:責任あるML、大規模なAI、強化学習

 Azure Machine Learning(Azure ML)は、機械学習の開発と実行のためのプラットフォームを提供します。

 Azure Machine Learningで、「責任あるML」(Responsible ML)機能が発表されました。

 「責任あるML」は、データサイエンティストや開発者が、MLモデルを理解し、人々やそのデータを保護し、エンドツーエンドのMLプロセスを制御するための機能です。

 今回、次の3つのOSSライブラリが発表されました。

  • InterpretML:MLモデルの解釈可能性を提供する、OSSのPythonパッケージ
  • Fairlearn:MLモデルの公平性を評価、軽減する、OSSのPythonパッケージ
  • WhiteNoise:差分プライバシーをサポートする、OSSのライブラリ

 これらは、Azure Machine Learning以外でも利用可能です。Azure Machine Learningでの利用については、ドキュメントをご覧ください。

Azure Machine Learningの「責任あるML」

 また、「大規模なAI」(AI at Scale)に関する取り組みも発表されました。

 Azure上で、OpenAI向けに、AIモデルのトレーニングに特化したスーパーコンピューターが提供されることが発表されました。これは、世界トップ5の性能を持つスーパーコンピューターです。

 170億個のパラメーターを持つ、自然言語生成のための大規模AIモデル「Microsoft Turing Natural Language Generation」(T-NLG)を、近日中にオープンソースにすることが発表されました。

 深層学習トレーニング最適化のためのPyTorch向けのライブラリ「DeepSpeed」の新バージョンが、リリースされました。

 MLモデルの移植性をサポートするOSSのライブラリ「ONNX Runtime」で、分散トレーニングがサポートされました。

Microsoft Turing Natural Language Generation(T-NLG)

 Azure Machine Learningで、次の機能がプレビューになりました。

  • 強化されたノートブック
  • 強化学習のサポート
  • データのラベル付け
  • ネットワークの分離のためのAzure Private Link
  • Azure Cognitive Search統合

Azure Machine Learningでの強化学習

Project Bonsai:パブリックプレビュー、Project Moab

 Project Bonsaiは、自律システム向けの機械教示サービスです。

 Project Bonsaiは、2018年6月に買収したBonsaiのテクノロジを基にしたサービスです。

 今回、Project Bonsaiがパブリックプレビューになりました。

Project Bonsai

 また、Project Bonsaiで、機械教示のためのハードウェアキット「Project Moab」が発表されました。

Project Moab

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