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オーガニック食材を選び抜いた、中華そばの完成形 立川中華そば ととホンテン(東京・立川)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第14回

2020年06月08日 12時00分更新

文● ZATSU 編集● ラーメンWalker

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JR立川駅の北口から徒歩9分「立川中華そば ととホンテン」

 立川にある、無添加で安心して食べられる美味しいラーメン店「立川中華そば ととホンテン」。

前身となった「Ozy's Dining 魚魚-TOTO-」(2007年オープン)

ランチタイムに提供していた、オーガニック感たっぷりの「すーぷ麺」

 こちらのお店、元々は「Ozy's Dining 魚魚-TOTO-」というオーガニックダイニングとして営業していましたが、開店から半年が経った頃、週に3日ランチタイムのみラーメンを提供する変則的な二毛作スタイルを始めました。

昼は「魚魚☆Ramen」、夜は「Ozy's Dining 魚魚-TOTO-」として営業していた頃

 そのラーメンが評判を呼び、2009年には昼はラーメンを提供する「魚魚☆Ramen」、夜はオーガニックダイニング「Ozy's Dining 魚魚-TOTO-」という、完全二毛作店になりました。

オーガニックダイニングの定番人気メニューだった「旬菜サラダ」

新鮮だから出来る「鯖の刺身」

希少食材を贅沢に使った「のどぐろの刺身」

 夜のオーガニックダイニングは、食材への拘りと料理に対する情熱や確かな美味しさで、ラーメン店主からも注目を集めることに。

 ミシュランガイドビブグルマン掲載店である「らぁ麺やまぐち」店主の山口さんや、埼玉ナンバーワンの呼び声も高い「中華そば専門 とんちぼ」店主の丸岡さん、「麺屋 KABOちゃん」の窪川さんたちが足繁く通う隠れた名店でした。

2012年、立川ラーメンスクエアに出店した「立川中華そば 魚魚-TOTO-」

 その後、2011年の秋にはラーメンスクエアのトライアウトに見事優勝。

  優勝メニューの「焦がし煮干しらーめん(画像は焦がし煮干しスペシャル)」を引っさげ、翌2012年春に「立川中華そば 魚魚-TOTO-」として出店。

 ラーメンスクエア出店の間、本店では絶品パスタを提供する「トトらットリア」として営業した時期もありました。

トトらットリアで提供した、フェットチーネを使用したラーメン風の「スープパスタ」

殻が青い卵“アローカナ”を使った贅沢な「カルボナーラ」

 そして2013年秋にラーメンスクエアを卒業し、本店をラーメン専門店の「立川中華そば ととホンテン」としてリニューアルし、現在に至ります。

 現在の看板はもちろん、歴代の看板や店内のテーブルや椅子も全部店主の手作りだというから驚きで、手作りだからこその温かみが感じられるお店になっています。

 無添加を大きく掲げていたオーガニックダイニングの頃と比べて、ラーメン専門店となってからはそれをあまり主張しなくなりましたが、無添加への拘りに変わりはありません。

 何故オーガニック食材や無添加に拘るのかという問いに対して、最近は「単純に美味しいから」と答えるご主人。実際にそれが本音ではあると思いますが、「若くして亡くなった友人のためにも、食によって病気のリスクを下げたい。また次の時代を担う子どもたちや若い世代にアレルギーを出させたくない。そういう思いから無添加のものを提供している」という心の内を過去に話してくれたことがあります。

 私は無添加とは無縁とも思えるくらいジャンクなものが好きですが、ご主人に色々と食について勉強させていただいたお陰で、多少ですが成分表示等を気にするようになり、子どもにはなるべく添加物の入っていないものをと心掛けることが出来るようになりました。

 では、何故オーガニックダイニングをやめラーメン店に変更したのか?

 それは、間口を広げるため。オーガニックダイニングというと、どうしても拘りのある人が対象の中心となってしまいますが、「ラーメン」という大衆食でオーガニックや無添加の料理を提供することで広い世代が肩肘張らずに食すことが出来るから、という想いを聞きました。

 そんな拘りのある「ととホンテン」の一番人気メニューは、「中華そば(画像は中華そばスペシャルトッピング)」。

 香ばしさに似た煮干しの風味と鶏を主体としたふくよかな旨味が合わさり、醤油の香り高さが感じられる清湯スープ。強い出汁感がありながらも飽きの来ない味わいで、上質でありながら気取らない大衆感も持ち合わせた、中華そばの完成形とも思えるような一杯。

 「責め煮干しらーめん(味玉トッピング)」は、ラーメントライアウトで優勝した“焦がし煮干し製法”のラーメンを進化させたもので、日本酒の搾り工程の「責め」と共通するような“責め煮干し製法”で作ったもの。

 乳化した感じのスープになっていて、煮干しの味わいや風味の力強さに醤油もしっかり立たせたその味わいは、無化調とは思えないような深い旨味がたっぷり感じられる、ここでしか食べられない一杯。

 昨年からレギュラーメニューに加わった「塩ペペロン油そば」は、貝を使った塩ダレをベースに自家製香味油とガーリックオリーブオイルを合わせ、粗挽き唐辛子の直接的な辛味の刺激が加わったインパクトのあるもので、ペペロンチーノと「とと」ならではのテイストが融合した絶品の油そば!

 そしてオーガニックダイニングの頃から一貫して変わらないのが創作意欲の高さで、旬の食材を使用した限定メニューは数えきれないほど沢山有ります。

 その中から印象に残っているものをいくつかご紹介!

限定メニュー「ウニいくら味噌油そば」

 和風カルボナーラとも言えるようなクリーミーな味噌味の油そばに、ウニやいくら等の豪華なトッピングがのった一杯でした。

限定メニュー「Hanako豚骨らーめん」

 稀少豚である「Hanako」を入手した時のみに出来る限定メニュー。

 他の豚骨ラーメンとは全く違った風味と、重さの無い濃厚な旨味を楽しめる最高レベルの豚骨ラーメン!

限定メニュー「TotoらVerde63」

 緑をテーマにした限定メニュー。有機緑茶由来の仄かな苦味をアクセントにした魚介スープに、クロレラを練り込んだ麺を合わせた、緑一色のビジュアルインパクトが強い一杯でした!

絶妙な火加減で仕上げたサイドメニュー「ステーキ」

旬の限定メニュー「ミニうに丼」

 サイドメニューも旬なものを限定で提供することがあり、専門店さながらの美味しさを手軽に楽しむことも出来ます。

お持ち帰りメニュー「油そば弁当」

 元々「油そば弁当」や「餃子」などのお持ち帰りも用意していたお店ですが、最近では新型コロナウイルスへの対策として「つけ麺」のテイクアウトも始めたとのこと。

 オーガニックというと値段が高く、人によっては敷居も高く感じられてしまうことがありますが、ラーメンという大衆食なので気軽に入店でき、大人から子どもまで安心して美味しく食べられる、食材本来の味を活かしたオススメのお店です♪
 

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッターをご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(http://blog.livedoor.jp/zatsu_ke/

本人Twitter @zatsu_ke

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