省スペースで使えるコンパクトサイズのプリメインアンプ
ネットワークオーディオやドルビーデジタル音声にも対応する多機能アンプ エラック「DS-A101-G」
2020年05月30日 15時00分更新
ネットワークオーディオ機能を備え、多彩な使い方に対応
DS-A101Gについて詳しく紹介していこう。外観のデザインはEA-101EQ-Gとほぼ同じで、横幅214mmとコンパクトなサイズのプリメインアンプだ。
コンパクト化を実現できた理由は、AB級アンプにスイッチング電源を組み合わせたため。独自のBASHテクノロジー採用アンプという点では、EA-101EQ-Gと同じだが、新型のBASHトラッキングアンプとなっていて、出力も向上、EA-101EQ-Gが4Ω負荷で80W+80Wだったのに対し、8Ω負荷でも80W+80Wの出力が得られるようになっている(ただし4Ω負荷時の出力も80W+80W)。
スイッチング電源は、大型の電源トランスを使う必要がないため、コンパクトにできる。ただし、スイッチング時に高周波ノイズを発するため、オーディオ機器では嫌われる傾向もあった。それも昔の話で、今ではノイズ対策も進んできており、さまざまな技術を組み合わせてオーディオ機器に採用されている。
DS-A101Gの場合、スイッチング周波数を400kHz以上(毎秒40万回以上)とし、スイッチングノイズの発生を可聴帯域よりも高い帯域にしている。スイッチング速度が高速化すると、入力された音楽信号の変化に素早く追従できるので、音質的なメリットもある。最近増えてきている高効率アンプ技術のひとつと考えていい。なお、このBASHテクノロジーはエラックのアンプ内蔵サブウーファーの駆動アンプとしても長く使われている技術で、実績や信頼性の点でも心配することはないものだ。
EA-101EQ-Gから大きく変わった点が、USB端子を廃し、ネットワーク端子を備えたことだ。パソコンとUSB接続で直結するのではなく、ネットワーク機能をアンプに盛り込んだことが大きな進化点だ。
有線だけでなく無線(Wi-Fi)での接続も可能。これにより、パソコンやNASなどに保存した音楽ファイルを再生できるほか、インターネットラジオやストリーミング音楽サービスなどが楽しめる。具体的には「Spotify Connect」「AirPlay」「Roon」「Discovery」といったサービスに対応している。Bluetoothにも対応しており、スマホの音楽を簡単に再生して楽しめる。
デジタル音声入力は、最大192kHz/24bitの信号に対応するほか、ドルビーデジタル信号(2.1ch)の入力も可能。BD/DVDプレーヤーとの接続はもちろんだが、テレビのデジタル音声出力を接続するような使い方も可能だ。テレビと組み合わせるコンパクトなオーディオシステムとしても使えるようになっているのだ。
[DS-A101Gの主なスペック]
●出力:80W+80W(8Ω、4Ω) ●アナログ音声入力:ライン×2●デジタル音声入力:光×1、同軸×1●アナログ音声出力:プリアウト×1、サブウーファー出力×1●サイズ:横幅214×高さ60×奥行280mm ●質量:2.8kg
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